ほぼ足りてまだ欲 その先

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思い出した

 なにを思いだしたのかというと、習慣、文化の違いだった。
 かつて働いていた造船所でノルウェーから注文された船を造っていた。今では考えられない話だ。すると当然ノルウェー人のスーパーヴァイザーが船首から派遣されてやってくる。ちょっと見かつての米国の大統領、ニクソンに似ているといえなくもないような男だった。最初は一人でやってきて、幼稚園児くらいの娘二人を奥さんが連れてやってきた。造船所があった地域は当然都会からは離れていたので、彼らが暮らす家を探すのはかなり難しい。それで、そういう外国人の為に造船所では、社宅というような家を数軒設置していた。彼らの習慣と日本人の習慣が異なっていることから発生するトラブルは結構あるので、私たちはその社宅に行くことが結構あった。
 一番驚いたのは、ある日、そのノルウェー人が「風呂にどうして暖房設備がないのか?」というのだ。「はっ?」である。冬なので、風呂場自体が寒い、ってことなのかと思った。それにしても水がかかるところにどうやって暖房する?と思った。当時は今みたいなエアコンが普通に個人の家にはなかった。
 なぜそんなところに暖房が必要なのかを聞いてぶったまげた。かれらはお湯のシャワーを浴びていないらしいのだ。水だ。そりゃ寒い、というより、いくら東京に比べたら暖かいといったってそれは無茶ってもんだ。自国では風呂の空間それ自体が暖かいのでそれで良いんだというのだ。本当かよ!?サウナじゃないんだから。
 当時としては大変に珍しいオイルサーキュレーションの暖房機を持ち込んだ。