ほぼ足りてまだ欲 その先

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新聞 おくやみ

 三行広告ってものを新聞紙上であんまり見なくなった。「××夫、何も言わないからとにかく帰れ」とか訃報広告なんてものもあった。黒枠広告とでもいっただろうか。その代わり、有名人や上場企業の役員以上経験者、あるいは大学の元教授、芸能人は新聞の社会面の下に黒線を横に引いたお悔やみ記事が載る。
 前にも書いたけれど、企業の広報を担当していた頃は、もうそろそろやばくなって来ちゃった元役員がいると、常に死因と死亡時期欄が空白になった紙を持ち歩いていて、いざとなったらそれをファックス、もしくは電話口頭で流した。新聞社側にはそれを電話で確認する人が専門にとった。そうでないとこの種のものの字を間違えたら大変なことになるからだった。今じゃ、ネットメールで流せるから相当楽になったはずだ。
 それにしても、あたかもその役員が死ぬのを待ち構えているようで、嫌な気分だった。
 昨日某新聞のサイトでお悔やみ欄を見ていたら料亭の「新喜楽」のおカミが亡くなったという記事が出ていた。上場企業でもないし、政治家でもないし、芸能人でもないし、大学の先生でもない。辛うじて相当するのは「有名人」の部類なのかも知れないけれど、一般的な「有名人」なのかといったらはなはだそれは怪しい。
 政治家やそれにたかって儲けている人たちの世界では「有名人」なのかも知れないが、ごく普通に(何が基準か、という突っ込みはなしにして)暮らしている庶民から見たら、全然有名じゃない。この辺が既にマスコミの価値観に問題があるってことじゃないかという気がしないでもない。