ほぼ足りてまだ欲 その先

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浅草の人だった!

 ここのところ話題になっている認知症の行方不明者が年間およそ1万人に上ると聞いて愕然とした。
 NHKが放送したことによって発見された67歳の女性は7年前の2007年10月30日にどこにいったかわからなくなった。東武鉄道館林の駅で発見されたけれど、「行旅病人」として介護施設で保護された。靴下にはかたかなで「ヤナギダ」、下着には「ミエコ」と書かれていたけれど、本人が「クミコ」と名乗った。
 翌日夫は浅草警察に届けを出していた。警視庁は全国の行方不明者の情報を共有するオンラインシステムに「柳田三重子」という名前と読みがな、それに身長などの体の特徴を登録した。
 もうこの時点で見つかってもおかしくはないと思う。しかし、見つからなかった。
 群馬県警察本部から警視庁の本部には2回、「迷い人」として顔写真や服装などを記載した文書が送られた。
 にもかかわらずそのままになっていたのはなぜなのか。浅草警察署に、警視庁の本部からこの文書が回ることもなく、警視庁がこの「迷い人」を柳田さんと認識することは「できなかった」とされている。
 「できなかった」では済まない。本人は認識ができなくなってしまっているけれど、7年間行方知れずになったままだった奥さんを見つけた旦那はどんな気持ちなんだろう。
 保護した管轄警察署は、身元の判明につながる名前を把握していたにもかかわらず、群馬県警察本部では異なる名前で把握していたといい、「ヤナギダ」という名字は去年12月まで知らず、「エミコ」という異なる名前で把握していたというすれ違いは一体どこから発生するのだろうか。
 古屋国家公安委員長「積極的に行方不明者の発見や保護に努めていくことは警察の責務だ、どのような取り組みが一番いいのか、関係者としっかり相談しながら、より効果的な手法について検討していきたい」
 要するにあんまり真剣にやっちゃいなかったってことじゃないだろか。CSIを見ろよ!
 お粗末極まりない。
 元検察官の弁護士、落合洋司が「ストーカーに殺されそうでもなかなか助けてくれない警察が、犯罪ですらない、家出人の捜索を綿密にやっているはずがない、という推定は十分働く」とツイートしている。