ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

松井久子監督

レオニー [DVD]

レオニー [DVD]

折り梅 [DVD]

折り梅 [DVD]

ユキエ [DVD]

ユキエ [DVD]

 ドウス昌代の「イサム・ノグチ」を下敷きにした映画「レオニー」、認知症を描いた映画「折れ梅」の松井久子監督とお目にかかるチャンスがあって、なんと彼女の処女作「ユキエ」のDVDを譲っていただくことが出来た。
 この映画の原案は𠮷目木晴彦の1993年上半期芥川賞受賞作「寂寥郊野」で、私はこの小説を立川の社会福祉法人至誠ホームのホーム長でかつて母校で教鞭を執っておられた橋本正明先生から2000年頃に教えていただいた。戦後連合国による占領中に米国人兵士と結婚して米国に移住したいわゆる「戦争花嫁」の女性が高齢期に入って認知症を病み、獲得言語を失って呻吟する話である。私がどうしてこの映画の存在を橋本先生から原作を紹介されるまで知らなかったのか不思議でしょうがなかったのだけれど、松井監督からこの映画が公開されたのが1998年の2月だったとお伺いして、納得が出来た。当時私は日本にいなかったのだ。
 このブログにも随分書いているけれど、私が戦争花嫁に気がついたのは戦争花嫁として戦後豪州にやってきた女性に関する著書に巡り会ったことがきっかけで、それは遠藤雅子が書いた「チェリー・パーカーの熱い冬」という本だった。その後キャンベラの戦争記念館の田村恵子さんの発表をお伺いしたり、ブレア・照子さんのお話をお伺いしたりすることが出来たのだけれど、松井監督もこの方たちをご存じだった。
 今度は「何を怖れる フェミニズムを生きた女たち」というタイトルのドキュメンタリー映画を完成し、同じタイトルの本も今日発売という。樋口恵子、上野千鶴子田中美津といった錚々たるメンバーである。
映画についてはこちら。→http://feminism-documentary.com/
田中美津:1943年東京生まれ。1970年代のウーマンリブ運動の伝説的な指導者、社会学者の上野千鶴子が私淑する人物
米津知子:1948年東京生まれ。1970年代のウーマンリブ運動に参加して優生保護法の問題を知り、以来、女の運動の中から取り組んでいる。
滝石典子:1952年東京生まれ。リブ新宿センターの参加団体の1つ「東京こむうぬ」に参加
井上輝子:1942年生まれ。1970年代初頭のウーマンリブ運動に参加する中で女性学と出会い、1974年から和光大学で女性学講座を担当。
上野千鶴子:1948年富山県生まれ。京都大院社会学。元東大院人文社会系研究科教授・女性学、ジェンダー。近年は高齢者の介護問題。
樋口恵子:1932年 東京生まれ。東京家政大学名誉教授
加納実紀代:1940年生まれ。3年前まで敬和学園大。現在フリーで女性史・ジェンダー史を研究。
池田恵理子:1950年 東京生まれ。NHK。現在、アクティブミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」館長
高里鈴代:1940年台湾生まれ。東京都女性相談センターで電話相談員、那覇市婦人相談員を経て、1989年から2004年まで4期15年那覇市議会議員。現在、「強姦救援センター・沖縄」代表。
中西豊子:1933年 京都市生まれ。ウイメンズブックストア松香堂設立。フェミニズムネット企画設立。NPO法人ウイメンズ アクション ネットワークを仲間たちと創設。
田中喜美子:1930年東京生まれ。1976年、隔月刊投稿誌「わいふ」(1962年兵庫県で創刊。同人200人)の編集を受け継ぎ、同人5000人にまで育てあげる。平行して単行本の企画・編集を業とし、同人のなかから数多くのライターを育成。
桜井陽子:1947年生まれ。1979年女性4人の編集プロダクション「グループ・エス・アール」設立。内閣府男女共同参画局専門調査会委員。世田谷区立男女共同参画センター館長。