ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

剣の舞い


 本編を見ようとすると、もちろん有料だが、ベルリン・フィルのデジタル・コンサートはものすごく音が綺麗で、それだけの価値は充分にある。
 このメロディーを私は大好きだ。Aram Khachaturianのバレエ音楽「ガヤネー(ガイーヌ)」の「剣の舞い」である。ソ連の作曲家だと思っていたが、実際はグルジア出身のアルメニア人だそうだ。もちろん当時はソ連と一括りにされていたわけだ。彼は1978年に74歳で他界している。ついこの前のことだ。
 この曲を初めて聴いたのは中学三年生の時のことで、私は二つ目の大田区の中学にいた。この学校はマンモス校といわれていた学校で当時としては先進的な校舎を建てていた時期で、私たちは校庭にプレハブの校舎にいた。何年か前に懐かしくなっていって見たら、その先進的といわれた校舎はとっくになくなっていた。
 学校にはプロが使うような木琴があった。私は全く音楽教育を特別に受けたことなぞないけれど、この曲の冒頭のメロディーをその木琴で叩きたくてしょうがなくなった。ある日意を決して、音楽の先生を教員室に訪ね、一度触らせてもらえないかと頼んだ。どんなやりとりをしたのかなんて全く覚えちゃいないけれど、夕日が差し込む音楽室で、マレットを持って、あの冒頭の「チャンチャンチャン、チャンチャンチャンチャ・・・・」を叩いた。しかし、技術も何もないから、その先には進めない。けれどとても嬉しい時間だったことは覚えている。
 今この曲の演奏を見ると、クラッシックの演奏に大変に珍しく、サキソフォンが入っている。ジョージ・ガーシュインではないけれど、サックスの音が入ると突然現代的な音に聞こえる。