ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

政策の大失敗

 介護福祉士の養成機関は厚労相が指定する。2000年に介護保険制度が始まる以前から多くの大学や専門学校が介護福祉士養成課程を設け、2008年度まで増加が続いた。しかし、給与水準の低さや過酷な労働実態が知られて入学希望者が減少し、2009年度から課程数は減り続けている。入学定員でみても2008年度の計2万5407人から2013年度の1万8861人へ約25%減少し、定員充足率は2013年時点で69.4%。
 一方、介護人材の不足は深刻だ。介護関係の職種の有効求人倍率(2014年7月)は2.19倍で、全職種平均の0.95倍を大きく上回る。厚労省によると介護福祉士の登録者は、2014年9月末で約129万人いるが、実際に介護職に就いているのは55%程度という。
 介護福祉士になるには、3年以上の実務経験を経て国家試験に合格するか、養成機関を卒業する方法がある。厚労省は資質の向上を目的に、「社会福祉士及び介護福祉士法」の2007年改正で2012年度から国家試験を義務付けることにしたが、人材不足を受け、二度にわたり改正法施行を延期。今国会では、2017年度から5年間かけ、段階的に受験義務付けを進める内容の法案を提出している。(毎日新聞 2015年05月27日 東京朝刊)

 こんなに昔から指摘されていながらそのまま放り出されていた政策は記憶にないくらいだ。なにしろ2000年の福祉構造改革の当初からこんなことでは会悟の現場から人が離れるのは火を見るよりも明らかだと散々指摘されてきた話で、今頃気がついたかのごとくに語られるのは非常に心外だ。こういう事態が多すぎる。
 戦後のなんたらからの脱却なんぞと利いた風なセリフを振り回す前に、この国の人口構造、この国の今後の展開を真摯に見つめたら、アメリカのいうことを唯々諾々と実現する前にやらなきゃならないことがいくらでもあることに気がつかない政権を支持してはならない。目の前の現実から見ていかないととんでもないことになる。
 問題は介護の仕事をいかに捉えるのかという始まりにある。そこをないがしろにするから、社会認識が変わらない。現場の問題を幾つも列挙しなくちゃわからねぇのか。