ほぼ足りてまだ欲 その先

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入れ墨

 外国から多くの観光客が日本にやってくるようになって、どうしても受け入れなくてはならないのはそれぞれの文化の違いなんだということはよくわかります。
 おぼつかない手つきで箸を使って食べる外国人観光客なんてのは微笑ましい風景だという程度だったらそれはそれでよろしうございました。靴を脱ぐのを知らないで、慌てて脱ぐ外国人観光客なんてのもよく見るものでございました。そんなのはもうどうでも良いんですが、こと風呂てぇことになると、問題はちょっと面倒です。
 もう随分昔のことになりますが、10数年前に九州のとある有名な温泉に行ったときのことですが、そこの古い、もう寂れかかった温泉宿の風呂に入ってきた白人の子ども二人が男湯になんと水着を着て現れたんであります。驚いたのですが、彼らは競泳用のゴーグルまで付けていました。つまり彼らは欧米のテルメ感覚なんでございますね。これには困りました。多分彼らは日本のテルメはなんて小さいプールなんだろうと思ったでしょねぇ。
 今話題はタトゥーを付けた連中を今でも「入れ墨お断り」で排除していて良いのかって事です。これはただ単に外国人観光客のタトゥーの問題ではありません。これを良いってことにしちゃうと、国内のその方面のお兄さん方(尤もかつてお兄さんだった人もいるわけですが)をなんといって排除するのかってことです。いや、彼らも温泉にウェルカムするって事になるけれど、それで良いのかって事です。
 それでは今まで「入れ墨お断り」だったのはなんだったのかって事になります。
 いやいや、やくざもの(あ、はっきりいっちゃったよ!)だって人間なんだから、人間の基本的権利は確保されなくちゃならない、という論理が働くのだとしたら、こりゃもう何でもありってことに行き着くのではないかということです。
 じゃ、外国人のタトゥーは良いってことにすれば良いじゃないかということになると、これは逆差別だ!といわれかねませんよねぇ。日本風の彫り物はダメで外国風のタトゥーは良いよってことにしたら、じゃ日本人でも外国風は良くて、外国人の日本風も良いってことにしなくちゃならない。そうなると誰がどこでどう判断して、それを権威づけるのかってのがわからなくなっちまって、もうグチャグチャです。
 だから、やっぱり「入れ墨はお断り」なんだと思うのです。モンモン背負ったお兄さんが家族を引き連れて、ワンワンとにらみを利かせながら、金のネックチェーンをちゃらちゃらさせながら闊歩するような温泉には入りたくない。