ほぼ足りてまだ欲 その先

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戦場の軍法会議: 日本兵はなぜ処刑されたのか (新潮文庫)

戦場の軍法会議: 日本兵はなぜ処刑されたのか (新潮文庫)

 こちらもこれまで気がつかなかったエアポケットの分野だった。日本軍の軍法会議の話だけれど、NHKのスタッフが良くこの隙間に気がついて、滑り込みセーフの記録を残してくれた。

日本の戦後はなにも政府によって明らかにされてこなかったんだなぁということに思いが至る。それに対して、この本の中にもあるけれど、ドイツは同じ枢軸国として戦争に負けたにしても、日本のやってきたこと(つまり、やらなかったことになるのだけれど)、に比べてかなり明確に相反して公正だということに気がつく。
 あのアメリカですら、人種差別に気がついて、強制的に収容した日本人・日系米国人に謝罪をして補償してきた。残念ながら、戦後これまでの日本国政府はそのすべてを記録として残さず、おざなりの補償に終わらせてきた。その大人として当然と思われる気の遣い方ができなかったことが、返す返すも残念で仕方ない。

 先日飛行機の中で、清水潔著「殺人犯はそこにいる」を一気に読了。書き方の中にどうしてもルポライターの片鱗が出てくるのだけれど、かなり労力を惜しまずに取材をしているのが良くわかる。すると、この著者がNNNドキュメント'15「南京事件〜兵士達の遺言」でギャラクシー賞を取った人だというのを知って、あの番組を見た視聴者のひとりとしてその背景を読みたくなった。これもAmazonkindle版を買った。