ほぼ足りてまだ欲 その先

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台風

 今から考えると、私が子どもの頃にはずいぶん足繁く台風がやってきたような気がするけれど、そんなことはないのだろうか。ごくごく幼かった頃、小学校へ入学する前に住んでいた家は戦後のバタバタな時期に建てられた木造平屋のきわめて不細工な社宅だった。台風が来るというと、父が杉の板を窓に斜交いに釘で打って固定した。小学校に入る頃にはもう少しまともな家に引っ越したのだけれど、なぜかその家は廊下の天井との間に少し隙間があって、強い風が吹くとそこがピューピューと音を立てるのが不気味でしょうがなかった。そして台風が来ると良く停電をしたものだ。あれは電線が切れちゃうからだったのだろうか。もはやほとんどない停電だけれど、あの電気が落ちた瞬間になぜか、し〜んとなったのはいったいなぜだったんだろうかとふと思い出す。
 台風が近づくと興味は次の日の学校があるのか、休みになるのかという点に移ってくる。明け方目が覚めたら、台風一過のドピーカンな天気で、あっけなく、非日常性が消え失せてしまうことにがっかりするのが常だった。