ほぼ足りてまだ欲 その先

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居丈高

 「新日鐵住金」が日新製鋼を完全子会社とするのを軌を一にして社名を変更するんだという。「新日鐵住金日新」にでもするのかと思ったらそうじゃないと。で、どんな社名にするのかと思ったら、よりによって「日本製鉄」っていう。要するに住友金属臭を払拭、元々の官営製鉄だったってことを誇りに思っていること見え見えで、イヤな匂いがする。
 この業界に全く関係ない人たちにとってはどうでも良いことなんだけれど、戦前、この会社は「日本製鐵」と称していて、1934-5年頃に八幡官営製鉄所にいくつかの民間企業が合同してできた。戦後分割されて八幡製鉄と富士製鉄に分かれた。これが1970年に元の鞘に収まって新をつけて「新日本製鐵」と称したんだけれど、この社名の「鉄」が「鐵」なのが味噌。昔の「日本製鐵」の尻尾がくっついていた。
 ところが今度は「日本製鉄」で戦前のものとは違うんだ!と強調すればするだけ、きな臭い。そもそもここまで来て、あたかも日本を代表する企業なんだぞ!と威張っているその姿勢そのものが傲慢企業の面目躍如でございます。
 この会社の姿勢は従業員にものの見事に反映されていて、地方の支社長とか、海外の現法社長なんかが実に偉そうにしていて、面白い。今度の社名変更にその姿が良く現れている。新日鐵はかつての日本製鐵とは全く異なる企業であって、戦前の日本製鐵の過去について責任は持っていないというスタンスに立っているところも、この会社らしい。それでいて、過去があるからと中国の製鉄業になんであんなに入れ込んだのか。自分で自分の首を絞めブーメラン、ブーメランと西城秀樹の唄のようだったことは忘れちゃいない。
 そういえば三菱東京UFJ銀行も、ここに来て東京銀行の尻尾を切り捨てた。