感受性の鋭い人というのは、余計なことに憂慮する習慣を持つ結果になって、暮らし難くなる。感受性の鈍い人は、余計なことに神経をすり減らすことがないので、暮らしはしやすい。そう思っていた。だけれどもどうもあながち全ての場合がそうではないのかも知れないと思うようになった。
感受性の鈍い人は自分が他人にどんな影響を及ぼしているのか、ということに気が行かないものだから、影響を受けた他人の行動の原因に思いが至らず、被害者意識のみが目覚めて、理不尽な扱いを受けていると思い込むことになるのではないか。
例えば、日頃から話す声が高くて大きな人が、その話し声で他の人がどんな影響を受けるかということを慮ることができない。慮ることができるならば、大きな声を出さなくてすむ。これが概ね公共空間でのトラブルの要因となったり、ならなかったりする。ということは公共空間での行動について感受性のあるなしはあまり要因ではないということになってしまうのか。
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