ほぼ足りてまだ欲 その先

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散歩

 平日でございます。昨日とは違って、朝から快晴です。その分か、朝方はやけに寒くて、あんまり寒いので一度起き出したのですが、また布団に入りました。布団の中は暖こうございます。

シャオハイの満洲 (論創ノンフィクション 007)

シャオハイの満洲 (論創ノンフィクション 007)

  • 作者:江成常夫
  • 発売日: 2020/12/15
  • メディア: 単行本
 1984年に集英社から出版され、文庫本にもなっていたこの本が何故こんな形で再度出版されたのだろうか。土門拳賞を受賞した書籍である。江成常夫の「あとがき」によれば、どうも論創社の谷川茂の意思によるもののようだ。多くの満州に置いてきぼりを食った日本人の子弟は彼の地に置き去りにされ、実は日本人だったこともしらず、あるいはしらされずにその人生を全うしたのではないか。
 もうひとつ、戦前に日本政府のかけ声に踊らされて満州へ移住し、這々の体で帰国した人たちはその後どんな人生を過ごしたのだろうか。果たしてそれを記録したものはどこかにあるのだろうか。

 これまでに満州開拓団が如何に悲惨な帰国行を辿ってきたのか、その間にどれほどの犠牲者が出ているのか、という面からの著作はかなりな数刊行されていて、痛ましい現実をそこに著している。開拓団から男手を徴兵ということによって取り上げてしまい、後に残された年寄り女子どもが、関東軍が逃げてしまったあと、半分なぶり殺しになりながら舞鶴や博多に帰ってきた。
 そして戦後の荒れ果てた国で辛うじて生き残り、あるいは力尽きた。中には村ごと満州に渡ったところもある。帰ってきてもいるところがない。一体彼等はどのようにして戦後を生きてきたんだろう。今私のようなその辺の爺さんがそれを探すには、書物に頼るのが一番手っ取り早い。ところが不思議なことにわが区の図書館にはこの手の書物がなかなかopacで探しても見つからない。ところが西隣の区の図書館には、なぜかどれもこれも入っている。なにが起きているんだろうか。なにが起きないでいるんだろうか。
 戦争の体験もそうなんだけれど、引き揚げ者の方々の書き残したものは、私家版がとても多い。いくつかの大学には、この辺を研究している人たちがいて、学部紀要のようなものの中にもこうした研究ノートや論文がある。少しずつ手にしてみようとしている。
 テレビの「ぽつんと一軒家」で取り上げられる山の中の一軒家にもこうした引き揚げ者の開拓村だった過去を持っている場合が一定の割合であるような気がする。番組では全く触れられることはないけれど。