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満州移民

「満洲」に渡った朝鮮人たち

「満洲」に渡った朝鮮人たち

  • 作者:李 光平
  • 発売日: 2019/06/20
  • メディア: 単行本

 満州へ開拓移民として日本からは戦争が終わる間際まで人々が移動していったことを知らない日本人はほとんどいない。今でも「生まれは満州です」というお年寄りが70代でも普通にいる。全部で、おおよそ32万人が満州へいったといわれている。中国残留邦人といわれた人たちが日本に帰国してきて、とても苦労していることを忘れてしまっている日本人も相当数いるだろう。彼等を連れて日本へ帰国することがかなわなかったほど苦労をしたのだ。帰ってきた人たちだけで「2016年8月31日現在、永住帰国を果たした中国残留邦人とその家族は20,911人」とウィッキペディアには書いてある。
 ところが、朝鮮半島から満州へ開拓団として移住した人たちのことを日本ではほとんど知らない。1930年代だけれど、当時朝鮮半島は日本に併合された植民地だったわけで、日本の内地へどんどん農作物を供出させられた農民は満州へ渡ることになった。多くは南部出身者だったようだ。日本の敗戦後、彼等はもう既に日本人ではなくなってしまっていたから、日本からは忘れ去られた。現地の中国人は当然朝鮮半島から移住してきた人たちも日本人の範疇として捉えていたわけだから、その苦労は察してあまりある。こういう本は初めて見た。