立花隆が死んだおかげ、といってはなんだけれども、私は彼が「日本共産党の研究」という本を書いていたことに、知らなかったのか忘れているのかわからないが、今更気がついた。1978年に講談社から上下巻で刊行されているのだけれど、初出は1976年年初から丸二年間週刊文春に連載されていたものである。ま、「田中角栄研究」と全く同じ経路で発表されている。この連載のおかげで、立花隆と日本共産党は激しく対立したんだそうだ。日本共産党にとっては過去の党活動を暴き出されてしまったことで、折角戦後30年をかけて再生してきた状況を、ぶち壊しにされんとしているわけだろう。
この十年前、私たちは日本共産党は日和見だとして糾弾してきた。民青なんか、手に手をつないでフォークダンスか!と思っていた。しかし、今になってみると、フェアなスタンスで政治を考えているのは、日本共産党を含めて、非常に限られた組織だけになってしまっているのが、今日(こんにち)の日本の現状であることを考えると、この本をどう読むべきかと思う。
そういえば彼等が羽田に到着したのは6月30日のことだ。