ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

立花隆

 朝方は天気予報が外したんじゃないか、というほどの曇り空だったのに、午後になると、本当に雲が晴れて薄明かりが差すようになってきた。じゃ、出かけよう、そうだ、雨の心配がないからパナマを被って行こうと出かけた。バスは時刻表から遅れてもいないのに、急ブレーキ、急発進を平気でするような運転手で、思わず飛ばすに苦情を送ってやろうかと思ったけれど、何度送ってもろくな反応がないから諦めている。

 バス停からそれほど遠くないところある古本屋が木曜日から日曜日まで開いている事を思い出して角を曲がる。手前にみすずの本がびっしりはまっている。何かありそうな気がするんだけれど、ピッピ!と来るようなタイルに遭遇しない。一冊見つかったものはとても高くて手が出ない。

 中程まできたところに立花隆の上下二巻揃いを二組発見!いかにも「見つけて!」という具合に並べてある。思わず「あっ!」と声を上げる。前に来た時には立花隆は一冊もなかった。視線を棚の上に見上げると、なんとそこにも上下二巻揃いがひと組!それが「天皇と東大」だった。三組全部を買うのには心の準備が間に合わない。もう一組は「日本共産党の研究」で合計すると5,100円だったのだけれど、100円負けてくれた。嬉しかった。

 「立花隆を心に留めていただいたんですか?」とお尋ねしたところで、店主が気がついたようで「あの本を気をつけてみていますが、なかなか」といってくれた。なるほど覚えていてくださった訳で、売り手と買い手の息がぴったりあった瞬間だった。

 「天皇と東大」は今では電子書籍でないと、古本を探すしかありません。