ほぼ足りてまだ欲 その先

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無観客ではなくて中止

 脳科学者と言われる茂木健一郎が無観客といったって、関係者がいるわけで、それは本当の無観客ではないし、「人間の脳は、現場で実際に目の前のアスリートを見た時にだけ受け止める実感があり、それが今回のオリンピックのレガシーになる。」「プロ野球の試合が行われ、街に人が行き交っている中で、なぜ、東京オリンピックだけを特別視して「無観客」にするのか。東京オリンピックに情緒的に反対する論理の欠けた人たちがよく口にする「五輪を特別扱い」の常套句の裏返しがそこにある。」と書いておられる。
 彼が主張することは良くわかる。もちろん百聞は一見にしかずというわけで、この目で見るのが一番だ。豪州シドニーでの2000年のオリンピックで村上春樹が見物に行った。それを読んだことがあるけれど、そこからはあのユーカリの匂いがするわけでもないし、癖のある英語が聞こえてくるわけもなくて、全く面白くなかった記憶がある。
 茂木健一郎がなにを間違っているのかといえば、今はオリンピック、パラリンピックそのものを開催する様な状況ではないということなのだ。ここが根本的に多くの人が間違っているところで、西村なんとかって大臣がとんでもない政策を口にして大騒ぎになっているのも、こんな状況下でオリンピック、パラリンピックなんかをやろうとするからだ。

 もちろん私は商業主義に陥って全く異議を見失っているIOCオリンピックには大反対なので、このパンダミック状況下でなくても大反対なんだけれど、茂木健一郎が、ただ単に、脳が受け止めるものは現場で正にそれを見ることに意義があるんだ、というだけのことをいおうとしているのであれば、文句は言わない。

 あとになって、NHKはこの東京オリンピック騒動をどう総括するのか、見てみたい。