ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

鴨の親子

@上野不忍池


 昔のNorth Taramaraのゴルフ場にはあるホールのティー・グラウンドのすぐ横に池があって、季節が来ると、鴨がいついていた。もちろん繁殖の時期には良く母親鴨がこどもたちの面倒を見ていて、人間が長い棒を持ってやってくると、危機感を持って、人間を遠ざけようと、母鴨が決死の覚悟で子どもを守ろうとする。
 人間たちは、おい、ダメだよ、といいながら、母鴨が近づいてくるのを避けながらルールに則って、ティーショットをする。従って、とにかくなんでも良いから、そのティーグラウンドから離れるべく、打つことになるので、良いスコアは望めないのである。
 色々な言い訳が世の中にはある。

 ちなみに私はこのゴルフ場の、今はなきトイレでおばあさんの命を救ったことがある。
そのトイレはクラブハウスから離れて、むしろ16番のグリーンに近いところに建っている。つまり、プレイヤーも立ち寄れる位置にある。そのグリーンをホールアウトすると、どこかから聞こえるか弱い声に気がつく。なんだろうと、その声のする方へ近づくと、それがそのトイレからなのがわかった。当時のことだからスパイクの付いた靴をガチャガチャさせてトイレにいってみると、個室の一つから「へ〜るぷっ!」と叫ぶ声。こりゃ一大事と近寄ると、扉が内側に食い込んで動かない状態になっている。つまり、おばあさんはトイレだけに雪隠詰めになっていたのである。そんなこといったって、通じるわけもないが。思いっきりそのドアを外側に引っ張ると、ガァ〜ンっ!と開いた!おばあさんが飛び出してきて、思わず「ゆ〜・へるぷと・まい・らいふ!」といったが、よく見たらアジア人だったので、躊躇した。それくらい、アジア人はあんまりいい印象を持たれていなかった。命を救ってもらったというのに。

 なお、ここのゴルフ場は公立の施設だったのに、雇われていた管理人がやたらとアジア人差別をするので、とうとうクビになった。どんな差別をするのかというと、白人の利用者には優先してスタートを早めていたのだ。どんな手段を弄していたのかということだけれど、これが巧妙だった。予約はするけれど、実際は現地で到着した順にスタートするルールだった。到着して金を払った段階で、自分のボールを斜めになった樋に入れる。一番下のボールの持ち主が次のスタートになる。ところがこのずる管理人はこの樋の中のボールを押しのけて、白人のボールを優先順位にしてしまうのだった。どうもおかしいなと思っていると、そのボールを入れ替えている現場を見てしまった。カツカツと近寄っていっても知らん顔をしていたことだけは覚えているが、誰かがそれを指摘する勇気を奮ってくれたらしく、程なくして彼はいなくなった。その勇気を奮ってくれたのが誰だったのか、興味深い。お前じゃなかったのか、という指摘が痛い。