ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

見慣れぬ古本屋

 今日もまた先日の散歩と同じように蔵前まで歩き、日本橋へ出て成城石井で朝飯補助おかずを買い、三越前まで戻ってCOREDO室町の下でパンを買った。先日買った「アルタムーラ」というのが美味しかったから、今日はその「大」を買った。洒落たパンに「大」なんてつけんなよといいたい。そうだ、あのビルの4階に無印良品があるという掲示を見たのに、上がって買い物をするのを忘れてしまった。ネバネバスープが払底間近である。

 先日、といっても一昨日か、は蔵前の国際通りの東側の歩道を歩いていたので気が付かなかったのだけれど、西側の歩道を歩いてみたら、国際通り江戸通りの分岐点にかなり近いところに古本屋があった。昔は蔵前の古本屋といったら国際通りの御蔵前書房しかなかった。聞いたら2021年1月16日に横浜から移転して開店したという。名前が読めなかったんだけれど、「Frobergue」と書いてフローベルグと読むそうだ。
 で、そのFrobergueってなんなの?Johann Jakob Frobergerではなさそうだよね。twitterには「古い洋書絵本(フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ他)を中心に扱う」と書いてある。つまり、若い人向けのいわゆるオサレな古本屋さんである。こういう新しい文化は、爺さんには気恥ずかしい。

 一番奥の棚の、それも爺さんにはきつい下段をつらつら眺むるに、こんなお店には非常に不釣り合いに平岡正明の「シュルレアリスム落語宣言」なんぞが刺さっていた。なんの気の迷いでこんな本を仕入れたのかね。
 平岡正明は2009年7月9日に68歳でなくなっている。もうとにかく面倒くさい男で、60年代の新左翼的活動にのめり込んでいた。結構矢崎泰久の「話の特集」の常連ではあったけれど、書いていることがしち面倒くさくって、大概の場合私は彼の書いたものはすっ飛ばしていた。しかし、こんな本を書いていたのだとは知らなかったから、ちょっとおもしろい。彼が死ぬ前年2月の発行である。巻末に二代目快楽亭ブラックと平岡の対談が載っている。そういえば、最近六区近辺でブラックを見かけない。
 昨日風呂に入りながら、bluetoothで鳴らすSONYの小さなスピーカーから文楽(もちろん先代である)の「かんしゃく」なんてのを聞いていた。大きな声と小さな声が入り混じり合って、なかなか聞き取りにくいんだけれど、彼はとにかく声が良い。通る。きれいな声だから、よく聞こえる。志の輔のだみ声とは大違い。志の輔志の輔で面白いけれど。あ、そうかと思って図書館で二枚予約した。久しぶりに先代文楽の「寝床」を聞いてみたい。私はこの話を文楽のラジオで覚えた。