ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

営業を終了


 このCOVID-19の影響で商売をやめてしまった店は枚挙にいとまがないだろう。それはそのまま経済の停滞に繫がっているはずだ。ファミリー・ビジネスはこういうダメージには弱い。

 清水の三保灯台のすぐ横にあった三保園ホテルは2021年の3月末で閉鎖に至ったそうだ。泊まったことはないけれど、友人の結婚披露宴では何度か行ったことがある。1973-4年ころに工場の同期入社の友人がここで結婚披露宴を開き、その司会をやったのが生まれてはじめての披露宴の司会だった。当時はバックミュージックを流すとか、両家のお母さんに花束を贈呈する、お色直しから入場する時にキャンドルでろうそくに火をともして歩く、なんてことは普通ではなかったので、ホテルとの打ち合わせには結構手間取った記憶がある。末席に作ってもらった自分の席の横にマイクを置いて、カセットテープレコーダーを持ち込んで音楽を流したりした。

 工場に常駐する発注主の代理人(スーパーヴァイザーと呼んでいた)が長期間滞在する宿舎がこのホテルの直ぐ側にあって、古いけれど、メゾネットタイプのアパート三軒と単身滞在用の部屋が三部屋別棟であり、そこにはアメリカ帰りの60代の女性にハウスキーピングをしてもらっていた。
 ちょっと歩くとすぐに灯台があって、砂浜が広がり、海の向こうには富士山が見えるという大変に風光明媚なところだったが、なにしろ商店がそばにあるわけではないから、車を持たない人たちには不評だったが、車さえあれば、今でも暮らしたいような環境だった。
 もう三保にはほとんどお客を泊めるような施設は残っていない。わずかに羽衣の松の近所にひとつ、二つ残っているだけだ。観光地としての三保の役割は終わってしまったのかも知れない。それでも何年かに一度は戻ってみたい。