ほぼ足りてまだ欲 その先

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陳皮

 ちんぴったって、珍皮じゃなくて、ミカンの皮の陳皮。七味唐辛子なんかに入っているんだそうですねぇ。あんまり良くわかっていませんが。中国じゃ、当然温州ミカンなんてありませんから、漢方ではマンダリンですね。その皮を干すんですね。(そうそう、話は飛びますが、なぜか米国ではSatsuma Mandarineを売っています。熊本じゃなくて、なんで薩摩なんだという疑問もありますが、温州ミカンそのものがウィッキペディアによると、鹿児島県長島が原産で、ここはかつては肥後国だった、つう訳らしい。そしてなぜか葉がついたまま売っているけれど、小さなミカン。)ミカンの皮はお陽様のもとで干すと、あまぁ〜い香りがあたり一面に漂う。ただ、これだけ書くとかなりよい香りのように聞こえるけれど、実態はかなり田舎くさい香りだ。これじゃ何のことかわからんといわれるかも知れないけれど、それはわたしが生まれて初めて嗅いだのが、静岡、清水の三保半島の突端、真崎あたりだったからかも知れない。何しろかつての清水の代表的な産業の一つがミカンの缶詰の輸出だった。あの袋も外された甘いシロップ漬けになった、フルーツポンチにも入っていた、あれである。今だったら、きっとあの香りがクレームの対象になるのかも知れない。初めて嗅いだら、結構良いなと思っても毎日嗅いだら結構つらいというのが嗅覚って奴じゃないだろうか。
 かつて勤めていた会社の工場の一つのすぐ傍にごま油の工場があった。ごま油を中華の仕上げに、ちょっと回しかけると、「ウ〜ン!良いぞ!」という具合になるけれど、これを毎日毎日嗅いでいると、そのうち、その近所を歩く時には口で息をして歩くようになったものだった。それがまた不思議なことに、その時期を乗り越えると、全く気にならなくなる。人間は不思議なものだ。NHKでこのネタを取り上げないかな。