ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

企業広報

 今はもうなくなってしまった企業で広報担当をしていたことがある。工場を4−5カ所に抱えていた企業だったので、役員の数も全体で社長から取締役まで含めると、4-50人はいただろうか。大きな事業部も三つに分かれていた。それを室長を入れて4人で担当していた。そんな会社では「広報」と「宣伝」の区別がついている人たちはそれほど多くない。宣伝はともかく、当時は「広報」は認識されにくい。なんで会社の中身を新聞記者やマスコミに話さなきゃならないんだという認識の役員が大半だった。

 SONY平井一夫がテレビで喋っているのを偶然見た。彼は企業を知らしめること、そして多くの社員にも、あぁ、うちの役員はここまで考えてくれているのかと励ます意味でも、役員が表に立って発信することは重要なんだといっていた。SONYの創設者のひとりである盛田昭夫もその点は非常によく理解していて、当時の日本企業風土の中では、はたから見ていると、やりすぎ、スタンド・プレーといわれかねなかったものだけれど、どんどん発信していくということは非常に重要な企業活動のひとつなのである。そういう点では広報という企業の中のスタンスは非常に重要なポイントなのだけれど、それを日本の多くの企業がどれほど理解できているのか、甚だ疑問ではある。トヨタなんかを見ていると、広報と宣伝の意味を混同しているのではないか、という気がする。不遜さが鼻につくのだ。

 今ではもうSONYという企業は日本の企業だとは思われていないかもしれない。あのウォークマンが世界に革命を起こして以来、驚くようなヒット商品はゲームである。そしてバブルの時に手にした映画コンテンツ。
 残念ながらお爺さんにとってはあまり縁があるとは思えない企業になりつつある。