ほぼ足りてまだ欲 その先

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船ジャーナル

 世の中にはあまた業界紙というものがあります。もう驚くような分野の業界紙が存在します。私はかつて企業広報に従事していたことがあるので、関連する業界紙の記者の人々とは取材をしていただくためにおつきあいがありました。
 こっちが何かを発信したいと思ったときには彼らの力を借りないとなかなか発信できないし、かれらも企業の中を取材しようとすると、私たちのようなチャンネルがないと取り付くしまがないということになります。
 私の担当の一部には造船業界があって、勿論一般紙と呼ばれる朝毎読日経産経なんてところから、いわゆる工業系日刊紙があって、その上にいわゆる専門誌という媒体があります。専門誌の記者諸兄は担当が変わるなんて事はほとんどありませんから、逃げようがありません。そして嘘がつけません。なにしろ以前のことを知らないで突然担当替えでやってくる一般紙の記者とは違っています。むしろこっちの方が担当が変わってしまいます。同じ業界の他社の中にはずっと広報担当をしている方もおられて、ちょっともめ事があったりするとその方にこれまでの事情をお伺いしたりして、かなりお世話になったものでした。
 今や日本の造船業界の地図は大きく変わってしまいましたから、多分専門誌の世界も大きく変わっていることでしょう。
 そんな中でも古くからある媒体、当時業界を引っ張っていた媒体といくつもあった中で、当時は造船業界ネタで主に食べていた媒体は、今では物流ネタが主流になり、中には当時は考えられなかった「クルーズ」をネタにした媒体を出す社も出てきています。
 海事プレスという会社はかなり積極的な媒体として知られていましたが、当時、もう30年以上昔ですが、すでに「クルーズ」に着目していて、専門誌を出そうとしていたことを想い出します。さすがに私はほとんど縁のない分野でしたし、日本の造船業界がとても手を出せる分野でもありませんでしたけれど、商船三井客船がにっぽん丸、ふじ丸をつくり、日本郵船の「飛鳥」や当時まだあった昭和海運までが「おせあにっくぐれいす」という客船を作ったりした時代でした。まぁ、日本のクルーザーの幕開けだったといっても良いかもしれませんね。
 「おせあにっくぐれいす」は今ではSilverseaの持ち船「Silver Discoverer」となって今でもクルーズを続けているんだそうです。もう建造以来27年が経過していますが、Silverseaの運航だというのですから、かなり丁寧なクルーズをやって貰っているのかもしれません。
 今、海事プレスも「世界の艦船」もクルーズ雑誌を出しているそうですが、どの程度突っ込んでいるのか、今後見てみようと思います。
 それにしても当時の新入社員が各社の役員になっている時代を目の前にすると、時間があっという間に経つ間に私がなんもしてこなかったことに驚いてしまいます。