6週間前にイラクで拘束され、そのDVDが公表された米国に暮らすオーストラリア人が解放された。ハワード政権としてはクリーンヒット。これでまた労働党は一歩も二歩も遅れを取ったことになるのだろう。日本人で連れ去られて死んだ斉藤さんとは仕事の性格が異なるが、その対応についての日豪の差はここですっかり明確になってしまった。ひょっとするとこんなことや、対中国のFTAの動きの素早さなどを見ていると、国際的な信頼感、あるいはreliabilityといった面で日本をここでもひっくり返すことになるのかもしれない。こんなことをしていると、こんな感性が当たり前だというおじさんたちにこの国を任しておくと、日本が将来的に東アジアのアルゼンチンになる可能性がないとはいえないだろう・・ペシミスティックな私である。
今回のダグラス・ウッド氏の救出については在オーストラリアのイスラム教のリーダーがイラクに乗り込んで犯人集団の説得に当たったと報じられている。もちろん身代金を払ったんだろうという憶測も流れているわけだけれども、フランスは払ったらしいが、今回は払っていないというコメントが流れているという。(フランスのことはどうでも良いと思うんだけれども)。現政権である保守連合のジョン・ハワード首相は明確に多文化については後ろ向きだといわれているし、確かにMulti-cultureという言葉がどんどん使われなくなってきていることは明確に報告されている通りだけれども、今回のこのイスラム・リーダーの活躍によって(それが本当かどうかは別として)、対外的には依然としてオーストラリアの多文化がアッピール・ポイントとして使うことができるというものである。