ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

足立美術館


 私は元来こうしたことに全く造詣が深くないからこれまで聴いたことがなかったのだけれども、足立全康さんという安来出身のお金持ちが集めに集めた美術品の数々を展示しているだけではなくて、庭も一幅の絵画であるかなんかというせりふでもってこの美術館の周りにいわゆる日本庭園を好きなだけお金をかけて造っちゃいましたという施設である。何しろこの人は一代で築いた財力でここまでのものを無から創り出したわけである。いつまで残っているかわからないけれども「大阪日々新聞」のこの記事をご覧あれ。
 それにしてもどこを見ても数々の事業で成功を収めてここまでになったと書いてあるだけで、本当の足立全康さんについて云いにくいことも含めて書いている人がいるのだろうか。まぁ、こういう成功話は往々にして表の話だけになって当たり前だろう。
 絵画は130点余りにのぼる横山大観を中心に榊原紫峰。川合玉堂からずらずらぁ〜とあって、しまいには平山先生まで並んでいる。焼き物はといえば、河井寛次郎北大路魯山人をそれぞれの展示室を構えて見せている。残念ながら私はこの辺あたりはあんまりぴんと来る方ではない。横山大観の息子さんを何度かお見かけしたことがあるが、今回初めて横山大観の写真を見て、何となく雰囲気がやっぱり似ているもんなんだなぁと思った程度。大観の富士山というのは、昔から、どうも・・・その・・・。彼は墨絵の方がやっぱり良いのでは?
 これはなんだろうと思って撮ってきた写真について「こちらの方」がこう書いておられる。

 苔の間に埋められている炭が珍しく、庭師の方に伺ったら高木の枝から落ちる雨粒が苔を削りはげさせるため、雨粒が落ちる場所にこうして炭を植えこんでいるとのこと。炭でカバーするというそういう手があったんですね。勉強になりました。

 歩き疲れて、構内にいくつもいくつもある喫茶室のひとつに入り、冷たいものを喉を引きつらせながら注文した。ところが飲み物が出てきたのは15分も経ってからのことであった。長らく厨房のカウンターの上にできたままになっていたお盆があって気になっていたら、やっぱりそれだった。お店の人たちも皆さんおきれいな方ばかりで美術館らしい様子であったが、豪華な椅子の座り心地を確かめるまでもなくそそくさと後にした。
 雨のそぼ降る、人の来ないような時にこの庭を見るのであればさぞかし心洗われ、優雅な気分に浸ることができるのであろう。しかし、所詮お邪魔する身としてはそんなことは叶わない。
(毎日新聞) - 2005年8月31日10時38がこんな記事を報じている。

島根・足立美術館の日本庭園が米専門誌で1位
島根県安来市足立美術館が、米国の日本庭園専門誌の05年庭園ランキングで、京都市桂離宮をおさえて3年連続で1位に選ばれた。
◇国内693カ所の庭園を建物との調和や管理などを総合的に比較したといい、枯(かれ)山水や池などを配した造形美が高く評価された。
横山大観など近代日本画家の作品を中心に収蔵・展示している美術館では、「日本一の“風景画”として、庭園も楽しめます」。【小坂剛志】

著作権の問題があるとは思うのだけれども、新聞記事はすぐになくなってしまうので、引用させていただいた。