ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

本屋

 京橋のブックセンターにて日頃ゆっくり見ようとしない本棚をじっくり見ることにする。それは旅行ガイドブックの棚である。いつもはそこまでたどり着く前に疲れ切ってしまうので、そこまでゆっくり見ていない。昼休み時の旅行ガイドブックの棚には雑誌の棚ほどではないが、結構な人がとりつく。そこにやってきたのは何となく季節はずれのダウンの長いコートを着た20代後半と見える女性。できる限りのバンコック案内書を集め、座り込んで平積み台に肘をついてむさぼるように頁を繰る。動く気配がない。その横にあった本を見ようとすると彼女が集めた本が載っている。それをつまみ上げると彼女は(悪かったわねぇ)といわんばかりにそれらの本をもっていなくなった。あとで気がついたら反対側に行って思いっきり座り込んで読んでいる。多分ジュンク堂に慣れた人なんだろうなぁ。その横にいたおじさんは携帯電話のカメラで撮影するわけではないが、なんと手帳を取りだしてメモを取り始めた。これまた堂々としている。この人もきっとジュンク堂派かも知れない。なんたって、ジュンク堂では参考書を集めてきて、レポートを書いている学生を見るのが珍しくないからね。彼らにとっては図書館だ。そのうち、蛍光ペンでマークしちゃいそうだよ(“そりゃ冗談だよ”であって欲しいが)。
 北欧の鉄道紀行を書いた人がいないだろうかと鉄道関連本のその辺を見ていると、全く話は向こうに飛んで、横浜市の市電を書いた人がいて「横浜市電の時代」長谷川 弘和著を発見。横浜市磯子区滝頭3-1-53に「横浜市電保存館」なるものがあるのだそうだ。サイトは→こちら。市電が撤去されたのは1972年3月31日だったそうで、その頃私は静岡県で就職をして横浜にはいなかったのだから、それでその印象がないのかも知れない。つまり、ほぼ私が社会人になるとともに横浜の市電は姿を消したことになる。麦田のトンネルはやはり昔から市電を撮るのにはさまになるらしくて、この本には何枚も取り上げられていそうで、ちょっと気がついただけでも雪の日の様子も掲載されていた。残念ながら私の実家に近いところを走る市電の姿はちょっと見つけられなかった。懐かしい想い出である。
本日入手せり本:

昭和史入門 (文春新書)

昭和史入門 (文春新書)

 これをもっと前に出しておいて欲しかったなぁという印象があるけれど、今だから書けるのだろうか。巻末に「昭和史入門のための読書案内」があってここで中公文庫の児島襄の「東京裁判」がかつての中公新書の「東京裁判」そのものだと知った。
歴史の話 (朝日選書)

歴史の話 (朝日選書)

 2006.04(初版2005.05)1992年5月に朝日ジャーナルに掲載された二人の対談である。こういう顔合わせがあったことを私は寡聞にして知らなかった。棚にこの本を見つけた時は歓声をあげそうだった。