TBSが木曜日の未明に放送しているドキュメント番組で、元ネタは米国CBSの「60 Minutes」である。そのまま米国で放送されたものを放送するのではなくて、その中から何本かを組み合わせ、ピーター・バラカンとTBSアナウンサーの吉川美代子の解説で放送する。今日は1本目がホロコーストもの、2本目が自閉症に関するもの、そして3本目がノラ・ジョーンズへのインタビューである。
ホロコーストに関するドキュメントは米国だからこそなのか、CBSという放送局だからなのか、取り上げられる回数は相当に多いという感じがしないではないが、CBSのサイトで見ると目につく。アーカイブスの中にも「Nazi Ruse Covered Up Holocaust」「The Children Of Nazi Leaders 」というタイトルを見つけることができる。今日の一本はタイトルが「Hitler’s Secret Archive」と云うものだけれども、驚くほど克明につけてあるナチスのユダヤ人記録が地方の公文書館で発見され、公開されているという話である。なにしろ当時のナチス・ドイツが虐殺したユダヤ人の数は1700万人に及ぶという話だ。驚くことにナチスは如何に効率的、且つ合理的に進めることができるかという彼らの能力を誇示することにむしろ誇りを感じていた様子が見られるという。殺したユダヤ人の頭にどれほどのサイズのシラミが何匹いたのかという記録まで発見されている。そして、番組では3人の当時10代だった男性の記録を見つけ、本人にその記録を見せている。ただ、この番組はCBS – 60 Minutesの過去番組のリストの中では既に見あたらない。
二本目は「Detecting Autism Before Age 2」というタイトルで、自閉症の診断が2歳前に可能なのではないかとする研究者のレポートである。自閉症傾向のある子どもは1歳に満たない時点でも親の目を見ようとしない、あるいは名前を呼ばれても反応しないという特徴を持つというが、発達経過中にはその症状もかわる。アスペルガーを含む自閉症症候群の人が増加しているという説に対して「この症状に対する認識が急速に拡がったことによる」とする研究者もいる。「小児ワクチンに含まれる水銀に疑いを持つ」研究者もいるという。CBSの制作分が終わったところで吉川美代子が「日本の理化学研究所が自閉症発症に関係すると思われる遺伝子を発見したことを発表し、マウスレベルではそれを既に証明している」旨発言した。
三本目がノラ・ジョーンズのインタビューで「Norah Jones On Norah Jones」というタイトル。私にはなんとも70年代のキャロル・キングを思い起こさせる「Don’t Know Why」という曲を知るのみであるが、彼女があのシタールの高名な演奏者、ラヴィ・シャンカールの娘であると知って飛び上がった。尤も母親はテキサスの白人であり、彼女は9歳位までは父親と会っていたけれど、その後は母一人娘ひとりで育ったという。一枚目を出してグラミーを独り占めしたことについて聞かれ、「とてもいずらかった」といっている。「バース・デイ・パーティーに遊びに行ってバース・デイ・ケーキを独り占めしてしまったような気分だった」というのである。彼女は二枚目を出したところで一旦表舞台から降り、自分のペースで自分で作った曲で三枚目を出したのだそうだ。テキサス生まれなだけにやはりカントリーの匂いのする曲に良さが現れているような気がする。
