猫に餌をやりながらラジオのスイッチを入れると途端に「横浜の捜真女学校を卒業し・・」と話す人の声。この学校は神奈川区にあって、今は捜真小・中・高となっている。小学校は共学だけれども中・高は女子のみである。あの学校の出身者の誰のことを話しているのかと思ったら「夜來香」「モンテンルパの夜は更けて」などで知られた渡辺はま子のことであった。話は「気骨の女（ひと）・渡辺はま子とモンテンルパ」というタイトルで、話しているのはノンフィクション作家の中田整一という人である。どうもはま子のお嬢さんから、はま子の日記を見せて戴いたのだそうだ。この人はNHK出版から『モンテンルパの夜は更けて 気骨の女・渡辺はま子の生涯』を出版している。話を聞くと、私が幼い頃に随分聴いた渡辺はま子の唄の多くは戦前から戦中の唄で、戦後に随分その辺の歌を唄っていたものだと思うが、どうも私の頭の中で、昭和20年に時間が切り替わったかのように無意識のうちに思いこんでいるのだろうけれど、実際には連綿と続く連続線上にいるのだから当たり前といえば当たり前だ。
