ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

だから・・・?

 昨日の友人達との呑み会が楽しくて思いっきり呑んでしまったのか、眼が覚めると頭がむくんでいるような気がするくらいである。匍うようにして扇風機を回す。
 昨日の午後2-3時に東京電力は今年最高の消費量を記録したのだそうだ。わが家は扇風機と冷蔵庫くらいしか動いていなかった。これ以上節電のしようがない。それにしても今年の東京電力の「節電のお願い」なんて細かい字のちらしを見ても中身を見る気にもならない。字が小さいのはとにかく高齢者にとっては読む気になんてならない。まずここがわかってない。
 それから今更東京電力にそんなことをいわれても「おれのせいじゃねぇよ」なんていっちゃいそうな気になる。柏崎刈羽地震直後のあの対応が全くの白々しいものだったということがわかっちゃってからというもの、ただ表面を取り繕えばいいやとでも思ってんじゃないの?という疑惑がぬぐえない。それとこれとは別だとわかっていながらひねくれちゃう。
 東京電力は稼働停止処分を受けている那須の塩原地下発電所の緊急稼働を申請して許可を受けている。そもそもこの水力発電社はなんで稼働停止の処分を受けていたのか。
 この発電所はいわゆる塩原温泉が建ち並ぶ箒川の北側の山並みのその北側斜面にある八汐ダムから蛇尾川ダムに水を落として発電し、深夜に今度はその水を反対に八汐ダムに上げるといういわゆる揚水式発電所である。水を溜めはじめた1994年からダムの水が漏れていて充分な水量に達せず、発電に必要な水量確保のため、蛇尾川(さびがわ)から年平均100万立方メートル以上の水を取水していたという。しかもこの違法な取水は下流の利水者が取水制限していた時期も平気で続けられていたそうで、これまでの違法取水量を累計するとダム貯水量の10倍を超えていたというのである。こうなるともう完全に我が物顔といっても良い行動で、こうした行動を隠蔽するために、本店工務部副部長は国交省に提出するデータを改竄していたという徹底ぶりである。
 この事実がどうして発覚したのかというと2006年10月に中国電力水力発電用に建設した土用ダム(岡山県)のデータを改竄していたことが発覚したことが発端となり、国交省経産省が電力各社を通じて全国の水力発電所を調査し、各地でデータ改竄や無許可改修が見つかったというものである。
 つまりそれほど各電力会社はやりたい放題。こうしたライフラインを民間に渡すとこんなことを平気でしているということである。電力、ガス、通信、郵政といった事業を民間の、しかも寡占企業に運営させるということはその企業があくまでも健全なる思想に基づいて運営するのだという前提、すなわち性善説に基づいている。しかし、現実はそうではないということを認識する必要がある。
 塩原地下発電所は不正を行ったことで稼働停止処分を受けていたけれど、現実は電力が足りないということになれば、背に腹は替えられないと稼働することになるのだ。ということは東京電力にとっては全然困らない、ということでこれを果たして処分というのか。多分表面を繕って決められたことを守らずにそれを隠蔽して通り過ぎることで済ますという体質は東京電力に限らずにほとんどの電力会社にまん延していると考えて良いだろう。なんだかやりたい放題やって挙げ句の果てに税金を思いっきり突っ込んで助けた銀行と同じだ。一般市民が困るからという錦の御旗を先頭に民間企業を助けるのに税金を突っ込むようなものだ。多分あの東電の社長は「困るのはうちじゃない、市民なんだよ」とでもいっているのではないだろうか。水泥棒!