ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

演芸場 

 お知り合いからお声をかけて頂いて三宅坂国立演芸場へ足を運ぶ。大分久しぶりである。この上席は芸術協会のメンバー構成というか、橘ノ圓一門ご一統なのか。「セカンドライフ協会」とかの団体がどっと前を占めている。セカンドライフったってあのバーチャルのセカンドライフであるわけはない。もしそうだったら笑える。その方々には特別の受付ができていてお弁当を配布している。2階のロビーではその方々が一杯でお弁当を使っている。こっちは座席で小腹を満たす。

  • 前座は女性で、橘ノ美香。
  • 《落語》橘ノ圓満
  • 《奇術》花島けいこ:花島けいこはそれまで芝居の世界にいて、16年前に松旭斎すみえに師事して奇術をはじめたという面白い経歴の持ち主で、彼女の舞台は後ろに銀の紐のようなものが全面に垂れてまるで国立演芸場ではなくなってしまったかのような、あたかもコルドンブルーのステージのような(甚だ大げさな表現で恐縮であるが)になってしまって、びっくりだ。
  • 《落語》三遊亭右左喜:右左喜はふたつ目の時からの高座名のようだ。出ばやしが♪そ、そら、そら、そら、ウサギのダンスぅ〜、である。
  • 南京玉すだれ》芝辻たかし:南京珠すだれを高座で見たのは初めてで、こんなものが高座芸になるのだろうかと思ったら、こちらの方はもうすでに親子で三代目なんだそうである。子どもの頃テレビで初めて見た時は、おもしろがって、その真似をして遊んだ記憶がある。お客さんをお二人高座に上げて一緒にやってみせる。
  • 《落語》三遊亭左円馬:出てくるなり、「今日はここまでくる間に既に2万歩を歩いておりまして・・ほら、ちゃんと見て下さいよ」といって帯からぱちんと万歩計をとりだして、最前列のお客の男性と女性に見せる。するとその男性のお客が今度は自分の万歩計をとりだして「え〜っと3千○百・・」って、あぁたの歩数はどうでも良いんだってばぁ〜と大笑いである。あとは全部忘れた。それにしても午前中で2万歩歩いているってのはどういうこと? 
  • 浪曲》春日井梅光 曲師:佐藤貴美江:今回の愁眉はやはり浪曲だろう。春日井梅光は日本浪曲協会の副会長である。かつて子どもの頃には浪曲は毎晩のようにラジオから流れていたもので、子ども心にも広沢虎三のしわがれ声で、♪たぁびぃゆけばぁ〜、が印象的だ。梅光が「瞼の母」を唸り出すと、目の前に座っていたお爺さんが、一緒になって唸る。そういえば、昔の銭湯で良く爺さんが唸っていたものだ。もちろん高座で浪曲を聴いたのは初めてで、屏風の後ろから聞こえる合いの手と華やかに拡げられた幔幕が雰囲気を盛り上げる。
  • 《落語》山遊亭金太郎:芸術協会のサイトにプロフィールがないが自身のサイトがしっかりとある。小南の弟子。
  • 《漫才》東京太・ゆめ子:わたしの記憶の東京太はもちろん、東京都知事だった東龍太郎から貰ったという高座名と、東 京二・京太の漫才だ。それこそ芸術協会真っ盛りのNETが新宿末広亭から中継していた寄席番組が流れていた頃、良くテレビで栃木弁でぼけをかましていた東京太の記憶で私の中では停止している。どうやら1985年にコンビを解消していて、それ以来ゆめ子とのコンビ。高座上での話が本当なら一緒に暮らしはじめてから33年だというのだから、京二・京太時代からの関係。ゆめ子ががんがん飛ばしてついていけない京太のボケという役割。京二はその後、京二・笑子から京二・たかしとなって3年前から馬風門下だというから落語協会所属ということになる。よっぽどうまくいかなかったのかねぇ。
  • 《落語》橘ノ圓:すでに72歳で芸術協会会長の歌丸の一年上に当たるという。終戦国民学校4年生で、9人兄弟の4番目。終戦と共に亀戸から母親の郷里山形に暮らしたという。こんな話は芸術協会のホーム頁にも出ていないが、ながぁ〜い今日の枕で全て語ってしまうという始末で、毎日あれをいっているのかねぇ。

 どうも、この一門の噺を聞いていると先代の円歌のあの甲高い声での「あぁらぁ、奥さぁまぁ〜!」という声を想い出す。どうも久しぶりの芸術協会である。それにしてもこの一門は地味だなぁ・・。そうそう、芸術協会といえば「浅草ジンタ」が色物・客員で芸術協会に登録されているのを知って驚いた。良く生涯学習センターで練習しているぞ。
 中入りで気がついたのだけれど、今月の26日・27日は「鹿芝居」で演しものは「芝浜」だそうである。なんで気がつかなかったのだろうか。慌ててフロントで聞いてみたけれど、勿論時既に遅しで完売である。それにしてもあれだけの人数をどうやって「芝浜」に使うんだろう。馬生と正雀で終わっちゃいそう。