ほぼ足りてまだ欲 その先

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栂池で雪崩れ

 栂池の林間コースで雪崩が発生して愛知大学の学生一行が呑み込まれ、自力で脱出することのできなかった女子学生二人はとうとう亡くなってしまったという。引率していた人は61歳。午前中には通ることができていた林道コース。しかし、雪は降り続き、午後にはコース管理者が通行止めとしてコース上にロープやネットを超えて降りていったという。この話を聞いた直後に思ったことはひょっとして連れていた学生たちが初心者で林間を降りるしか方法がないほどの技術だったのではないかということだった。そうした場合、かつてはリフトを使って降ろす、あるいはコース脇を板を抱えて降ろす、ということをした。しかし、今の学生たちはどうだろうか。指導者の意見をそのまま受け入れるだろうか。いや受け入れなかったとしたらそれは指導者の指導不足ということになるだろう。多分この指導者はできるだけ滑らせたいと思ったのだろう。栂池はゴンドラで上に上げてしまったら初心者は林道以外に降りる道はない。林道が通行禁止になったらもうゴンドラでそのまましたまで降りるしかない。素直に下まで降りて、金の鳴る丘に行っているべきだったなぁ・・。
 午前中は降ろしたというのだから、「いや、いけるだろう」と判断したのだろう。スキーは山の中に入る遊びである。いざ、滑り降りるのを止めようとしても技術の不足しているものを何人も引き連れたら自分一人の時と比べたら大きく行動に制限ができる。しかもはいているものは自由のきかないスキー靴だ。
 そういえばかつて初心者ばかりであっちにドテン、こっちにドテンしながら降りてきた。もう下まで着かないんじゃないかと思ったくらいだ。両手はもうびしょびしょだ。帰りのバスが待つ地点にたどり着いたらはるかに集合時間を超えていて、バスの中のみんなにひんしゅくを買った。でも、あの時は無事に帰って来られたのが本当に幸運だった。ゲレンデにいると全くそんなことを感じないのだけれど、やっぱり冬山に立ち入っているという危機感を感じることはいつまでも必要だ。

「学生を引率した同大非常勤講師の滋賀大教授・沢田和明さん(61)によると、林間コースが午後になって閉鎖されたことは、放送や看板で知っていた。だが、指導していた学生7人はいずれも初心者で、林間コース以外に頂上付近から降りるコースがないため、入り口のロープを超えて滑り始めたという。一行は午前中に同コースを通っており、「その時、楽しく滑れたので、もう一度、コースに入った」という。(2008年2月4日23時52分 読売新聞)