ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

藤蔵屋

 中込まで噂の蕎麦を戴きに走る。佐久平を超えると雨はすっかり降っておらず、バックミラーで見る浅間山は霧を裾野に翻らせて見えてくる。帰路に車を止めて写真に撮るがなかなかその雄大な全貌を写真にすることができない。
 「藤蔵屋」は中込出身の友人が「中込に行くんだったら藤蔵屋に一度は足を踏み入れるべきだ」と教えてくれたのだった。中込には小諸から移ってきた「蔦屋」は入ったことがあるが、「藤蔵屋」は知らなかった。
 日曜日の午後1時過ぎに入ると先客はわずかにお二人。私たちが楽しんでいる間に、男性客がひとりずつふたり入ってきた。時間がずれているからだろう。歴史を感じさせる店内で、蕎麦だけの店ではなく鯉料理あり、各種丼物もある。そういえばかつては山の中の旅館に泊まると夕食には鯉の洗いが出たものだが、最近ではほとんど見たことがない。多分もう20年以上鯉料理を口にしていないのではないだろうか。店内には水槽があって中で鯉が泳いでいる。なにしろ噂では上田の「刀屋」そのものだという話だから、用心して「もりの中と小」を注文。もちろんかき揚げ天ぷらもひとつ注文する。結果的には「中」ひとつで、そばつゆを二人前注文すればわが家ではそれで済むというものだった。つまり「もりの小」一枚分をわが家のふたり食べ残したということだ。
 蕎麦そのものは蔦屋もそうだし、私にとってはちょっと手強い感じのいわゆるしっかりした蕎麦である。この辺の蕎麦屋は薬味にネギ、わさびの他に大根おろしがつく。これが私は気に入っている。かき揚げは一枚180円で、様々なものが含まれていて、ちょっと細かくばらして検分したい気持ちになる。なにやら魚系のものが含まれているようでそれが香ばしくてクセになりそうだ。よくあるタマネギを含むかき揚げとちょっと違う。
 それにしても食べきれないほどの分量の蕎麦に驚いた。どれほどの量が出てくるのかというのは試してみないとわからないのが面白い。食いつかれていったん戻って昼寝をしてしまう。
 夜は友人のカミさんが庭で自作した馬鈴薯の料理を振る舞ってくれる。パイとポテトコロッケがたまらなく美味しい。おつゆはこれまた自作の野菜を使ったミネストローネ。感謝。