ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

新宿

 保阪正康のレクチャーに久しぶりに出席。身体の調子を崩したりして前回を棒に振ったのが惜しまれる。前回のテーマは「ニ・二六事件」だったのでちょっと惜しい。今日は三国同盟についての話だった。私はこの辺の微妙な点についてはこれまできちんとレビューをしていないので(相変わらずだけれど)片っ端からメモ。さすがに保阪正康は文献も豊富に目を通しているわけで、持ち出してくる刊行物も面白い。今日話に出た中で興味深かったのは、まず1953年に元大蔵官僚だった青木得三なる人物が学術文献普及会から出版した「太平洋戦争前史」全三巻であろう。1940年9月26日に枢密院会議が開かれ、三国同盟を結ぶについて近衛、東條、松岡、星野に状況説明を求めている。この文献は再版されると非常に興味深そうだ。ゆまに書房から1998/07に再版されている。)
 今ひとつは三国同盟の頃、モスクワのドイツ大使館とベルリンとの間で暗号通信されていたものが、これを傍受したソ連から米国に渡り、この翻訳が日本語にされて1948年に読売からほんの短い期間出版されたことがあるというものだというのだ。本文中では、日本のドイツに対する見方とは大いに違っていて、ドイツが日本を低く見なしていることを証する情報交換が掲載されていてちょと聞き苦しいくらいだという。
 この文献については帰宅後調べてみると「大戦の秘録-独外務省の機密文書より」として読売新聞社から1948年に出版されたもので、この二版が国会図書館にも所蔵されている。残念ながら母校の図書館では見つけ得なかったけれど、提携先の大学図書館では殆どこれを所蔵しているというのを知って、我が母校にないことに大変にがっかりした。
 私は明治革命以降、敗戦に至るまで概ね一本調子の体制をどうしても想像してしまうのだけれど、西園寺、牧野、木戸につながるいわゆる元老らの親英米の考えとその後の松岡らに代表される親独の考え方との間に段差があることを意識して歴史を読む必要があるようだ。

 レクチャー後、おどろおどろしい新しいビルにできたという「Book 1st」に初めて入った。綺麗な店舗で、次々に奥が開ける感じのレイアウトだけれど、いまいち勝手がわからないからだろうけれど、3フロアーに広がっていながらそれぞれが孤立している感じがする。新書なんかに至っては八重洲ブックセンター紀伊国屋ジュンク堂あたりに行く方が効率は高そうだ。

崩御と即位―宮中で何が起こっていたのか

崩御と即位―宮中で何が起こっていたのか

昭和史を動かしたアメリカ情報機関 (平凡社新書)

昭和史を動かしたアメリカ情報機関 (平凡社新書)

中学生の満州敗戦日記 (岩波ジュニア新書)

中学生の満州敗戦日記 (岩波ジュニア新書)

 ジュニア新書だけれども、それだけに分かり易くて直接響いてくる。今の子どもが手にするのかどうかはわからないけれど。
世界 2009年 03月号 [雑誌]

世界 2009年 03月号 [雑誌]

 今月号の特集は「雇用の底が抜ける<派遣切り>と<政治の貧困>」で、登場人物は湯浅誠宇都宮健児濱口桂一郎岩田正美、柿崎明二、宇野重規杉田敦、西中誠一郎。ここのところ様々なところで忙しく登場している湯浅、宇都宮だけれど、丁寧に取り組んでいて興味深い。濱口の法制度に関する切り口は取り込んでおくべき項目。

Coyote No.35 特集:ロバート・フランク はじまりのアメリカ

Coyote No.35 特集:ロバート・フランク はじまりのアメリカ

 私はもう雑誌「coyote」とは手を切ったことになっているのに、そして私はRobert Frankなんておじさんのことはこれっぱかりも知らないのに、この号の表紙を見てちょっと止まってしまったのだ。1924年生まれらしいからもうすでに84-5歳ということだろうか。これまでに「The Americans」という写真集を8回にわたって出版してきている。もう、この雑誌は文字も小さくて年寄りを対象にしていないんだし、大きくて重いんだからやめようと思っているのになぁ。

 いつものように紀伊国屋にいって地下で「水山」のうどんを食おうと思ったのだけれど、デジカメを解説してくれる本を探すうちに昨日友人がミキシィに書いていたものだから天丼を食いたくなり、どうせ銀座に出るのだからまた松坂屋の地下で天一の天丼を食おうと、丸ノ内線に乗る。ところが丸ノ内線に乗っているうちに、そういえば昼の泰明庵というのはどうなっているのだろうかと思い始めた。もうすっかり昼飯時間を過ぎていたので、ひとつのテーブルに一人の客という具合で中途半端だったけれど、数多いこの店のメニューの中から天丼を頼んだ。なぜだか知らないけれどご飯が大変に軟らかくて閉口。やっぱりこの店は蕎麦を食う、或いはつまみをいくつも頼みながら一杯呑む、こっちの方が良いなぁ。気がついたらお客は私一人になってしまって「貸し切りになっちゃいましたねぇ」といわれるが、金を払うときにまた若い女性がぽつりぽつりとやってくる。この店は居やすいんだよなぁ。
 そうそう、料亭「出井」の一階が稲庭うどんの「佐藤養助」になっているのを初めて知った。そういえば随分長いことこの通りを通っていない。一体何時こんなことになっていたんだろう。私は実は稲庭うどんが大好き。次回は確実にここでランチにしよう。夜には7000円なんてコースもあるんだそうだ。くわばらくわばら。
 オフィス・デポに寄って細々したものを買う。新宿でも京橋でも昔良くいた「ビッグ・イシュー」おじさんがどちらもいない。どうなったんだろう。その後が気になる。木曜日だということを思い出して、思わずLOTO-6を買う。どうせまた当たるわけはないと思いながら4週間分の夢を買う。