ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

日本体育協会

 新聞報道に依れば、日本体育協会森喜朗会長の任期切れに際し、「規則では役員は70歳定年」としてあるところを曲げ、すでに71歳の森喜朗の三期目の会長を要請することにした。「会長の定年延長は、定年制が導入された1991年に当時75歳で続投した青木半治氏以来」だと報道されているところをみると、すでに前科ありの団体だと云うことだ。
 だったらなんでこんなルールを作ったのか。むしろこうした時には推された側が「ルールがこうなっているんだからそれを曲げてはならない」とするべきなのが公的組織のあるべき姿なのだろう。この辺がいつまで経ってもどこかの大学の体育会の運営委員会とちっとも変わらないレベルでスポーツ界が推移する要因になっているのかも知れない。
 その理由について次のように報じている。

 (会長選考委員会)佐治信忠委員長(体協副会長)*1は「(日体協が入る)岸記念体育会館の建て替えや日体協の100周年記念事業、東京五輪招致など懸案が多く、引き続き森氏にお願いすることで意見が一致した」と説明。日体協の岡崎助一専務理事も「政官財に人脈と力があり、財源確保の面でもご尽力いただいている」と述べた。(毎日新聞 2009年3月3日 19時29分(最終更新 3月3日 20時58分)

 岸記念体育館というのは原宿から渋谷に向かう線路際の坂を下ると右手にあるビルで1964年に建てられた建物で、大日本体育協会の初代会長嘉納治五郎を引き継いだ2代目会長、岸清一にちなんだ名前である。各種スポーツ団体が事務所を構えている。外観の割にはなんだかどこかの大学の部室棟のような雰囲気がする建物ではあるが、それは中に入っている団体の性格上の問題かも知れない。
 森喜朗日本ラグビー協会の会長も務めていて、2015年、2019年のラグビーワールドカップの日本への招致活動を続けている。政府が財政保証をするとは思えないけれど、もし、実現したとしても、2006年に大宮で開催されたバスケットボールの世界大会の様なことになりそうな気がする。弱くたってサッカーのワールドカップは招致できたし、成功したじゃないかという声も出るかも知れないけれど、どう考えてみても盛り上がるとは思えない。

 そういえばさんざんトラブった挙げ句の果てにようやく会長が麻生太郎となった日本バスケットボール協会はそのまま麻生を会長としていて(ただし現在は休職中。すぐに復帰できる筈か・・?)、対抗馬の愛知和男が副会長にとどまっている。愛知和男はもちろんあの愛知揆一の養女婿である。本人も学生時代にバスケットボール部
 ちなみに日本のバスケットボールといえばJBLBjリーグが独立しているけれど、協会傘下はJBLだけで、Bjリーグは協会の保守的スタンスに業を煮やして始まったリーグですでに4シーズン目に突入している。
 先月26日にFIBAのボブ・エルフィンストン会長が来日して協会の佐室有志・会長職務代行に対して二つのリーグの統合を求めたと報道されている。
 まぁ、セクショナリズムで丁々発止のやりとりに終始するという点ではこうした団体の会長には政治屋が一番似ていて向いているのかも知れない、という話か。

*1:もちろん佐治敬三の長男で現サントリー社長