森喜朗発言
森喜朗っていう男は実に洗練されない男で、何をいっても何をやっても実にお粗末きわまりないのに、なんでこんなところまで居残っているのか良くわからん。
東京オリンピック組織委員会会長ってことになったんだそうだが、どうやらこういうポジションが好きでしょうがないらしい。
確か彼は2019年に日本で開かれるアジア初のラグビーワールドカップの招致委員長を務めていたし、実際このワールドカップでのキーパーソンでもある。
毎回ワールドカップにアジア代表として出場しては手痛い目にあっている日本にワールドカップがやってきた理由は一体何だろうと決定以来不思議に思っていた。このときに対抗馬に立候補したのは南アフリカ共和国とイタリアだった。
ラグビーのワールドカップは開催国がIRB(Internatonal Rugby Board)に支払う拠出金は9600万ポンドといわれていて、主催者側には放送権料その他は全く入らず、すべて入場料収入の中から払わなくてはならない。
一部のファンには熱狂的に支持されている日本ラグビーだけれど、国内のすべてのスポーツファン層の中で語ったらそんなに圧倒的な数を占めるのかといったらはなはだ疑問な訳で、これだけの金額を入場料で賄えるのか、といったらこころもとないといわざるを得ないだろう。
バスケットボールのW杯が日本で開かれたのは2006年のことだ。米国は準決勝でギリシアにやられてしまい、スペインが優勝してこのときのMVPがLos Angeles LakersのPau Gasolである。日本は予選リーグでパナマに勝っただけで決勝トーナメントに進出できなかった。よくもまぁ日本で開いたものだと思うが、この無謀な開催の結果協会にとっての赤字は13億円となった。その始末について協会内部は揉めに揉め、協会はJOCから資格停止される始末。その上プロ化の遅れる協会に対抗してBJリーグができてしまい、協会はずったずたになった。会長人事は大きく揉め、今は麻生太郎が就任している。
私はラグビーW杯についてバスケットボールW杯と同じような結果に終わるのではないかと危惧している。高校ラグビーや、大学ラグビーや社会人ラグビーがテレビでの露出度の高さはバスケットボールの比ではないからそれほどの危機感を協会は持っていないのかも知れないけれど、IRBへの上納金を考えると決して容易なはずはない。となると日本の企業からの賛同金を如何に集めることができるのかということが非常に重要になるだろう。
森喜朗はラグビー通政治家として知られ、わざわざ揃いのジャージーを作って国会議員のラグビーチームを構成して見せたことがあるくらいだ。かれは国会議員としての主たる場面ではなくて、そういう余技的な場面でばかり活躍してきた印象がある。
女子ラグビーのW杯も2019年に日本で開かれるそうだ。それが決まったときに、森喜朗は懸念を示したのだそうだ。余計なことをするなと。多分に賛同企業が重なり、限られるタニマチの重複を懸念していると思って良いだろう。
その森喜朗がようやく、這々の体で手にしたオリンピック組織委員長の座を同年齢の細川護煕如きにぶち壊されてたまるかという意思の表れだと思うべきなのかもしれない。