ほぼ足りてまだ欲 その先

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アメリカ・銃による殺害

 先週の土曜日(現地時間)、米国のワシントン州Auburnでひとりの男(34)がエンジンが掛かったままの車の中で銃で自殺しているのが発見された。警察は男の自宅である同州Grahamのトレーラー・パークのトレーラー・ハウスで7歳から16歳の5人の子どもが銃で撃たれて死亡しているのを発見し、その父親が無理心中を図ったことが判明した。
 各紙の報道によると木曜日に夫婦は大げんかをして妻(30)は家を出たまま帰らなかった。金曜日に夫(=父親)と16歳の長女が妻の携帯のGPSでその所在を突き止め、コンビニで逢うことが出来たが妻はその時に一緒にいた他の男と暮らすことを宣言。その男は妻が働く店での同僚だという。
 長女は父親に抵抗したあとがあったけれど、他の子どもは複数回にわたって撃たれたあとがあったと警察はコメント。ただし、凶器の銃ががなんだったのかは明らかにされていない。妻は13歳の時に長女を身籠もって結婚したという。前日、落胆した長女と夫は近くの親友のところで相談していたというが、気を落とさないでという慰めの言葉をもらいながら自宅に帰ったという証言がある。土曜日に電話を掛けたけれど、誰も出なかったのだという。
 日曜日は棕櫚の主日でもあり、トレーラーハウスの前には花束、ぬいぐるみと共に、棕櫚のクロスが捧げられてあったという。
 夫は過去三ヶ月間、火事のガードマンの夜中シフトに就いていたが、その激務に愚痴ってもいたようだ。
 通常、トレーラーハウスに住んでいると聞くとかなりすさんだ状況を想像するけれど、このトレーラーハウスは写真で見る限りではそれ程のようには見られない。確かに相当痛んだもののようではあるが。
 銃の問題もあるけれど、アメリカの格差社会にもう一度ライトを当ててみる必要があるような気がする。
 ここのところ米国内で銃による大量殺害事件が連続していて、各紙もこれを取り上げている。
 New York州BinghamtonのAmerican Civic Associationで計画的に12人を殺害して自ら自殺を図った41歳のベトナムからの移民は日頃から英語能力の不備を指摘されていたことからこれを爆発させたといわれており、カリフォルニアではインドからの移民が家族親戚を含めて6名が殺害され、ノース・カロライナでは介護施設で8名が殺され、ピッツバーグでは三人の警察官が命を落としている。
 こうした事件はもはや米国では異常なことではなくて、日常茶飯事で、人々は麻痺してしまっているのだろうか。銃がある以上、仕方がないことなのか。だったらなぜ銃を規制していかないのだろうか。CBSは全米が経済政策に払う関心を本来的には同じようにこの銃規制に払うべき時ではないのか、と論評している。
 全米ライフル協会のスタンスは今でも変わらないままに存在し得るのだろうか。
追記(090406):The Seattle Timesによれば、家族の子どもたちは父親の暴力に恐怖の念を持っていたらしいことが近所の人たち、友人たちへのインタビューからうかがい知ることができるようだ。こちら