ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

街へ

 久しぶりに昼飯は良く行くお店で鮨にした。11時半前に入ったのに、もう既にお二人の先客。握りを頼む。後から後からどんどん入ってきて、私が食べ終わったときには満席で3-4人の男性(多分ひとり客ばかり)が椅子に座って席が空くのを待っている。あんまり長居をしてはならないと無駄なことをしないでさっさと食べた。旨かったから何もいうことはなかった。慌てて出てきたらまだ12時前だった。
 有楽町駅そばの大規模家電量販店に入って液晶テレビを見ていると愛想の良い人を捕まえたのでこれまで疑問だったことを全部聴いてしまう。ケーブルでテレビを見ているのであれば、ブルーレイ内蔵テレビを選択してはだめだと。効率は悪いけれど別々のタイプにするべきだと。光ファイバーで繋げるならまだしもケーブルテレビでの接続はどうなんだろう。この人はとても詳しい人で、丁寧でこの量販店でこんな人にこれまで遭遇したことがなかった。良く聴くとメーカーから派遣されてきている人だった。買うときはこの人だと決めた。その前にプロバイダーを替えるかどうかの検討をしなくちゃ。頭が痛い。なぜならメルアドが変わるからだ。

映画「ミルク」

 有楽町の新しいビル「イトーシア」の別館4階にある映画館「シネマ・カノン 有楽町2丁目-1」でSean Penn主演、「MILK」を見る。162席の大変に綺麗な素晴らしいシートの小屋。この椅子大きすぎて私のようなちびには持てあましてかえって快適でない。なるほど飛行機もビジネスクラスに乗る必要がないのが良くわかる。
 Harvey Milkを演じたSean Pennはアカデミー主演男優賞である。Sean Pennの映画といえば最近では「Into the Wild」だけれども、「I'm Sam」も良かった。そして未だに見ていない「Sweet and Lowdown (ギター弾きの恋)」はやっぱり見てみたいような、しかし、ストーリーからするとちょっと見たくないような微妙な雰囲気である。
 1971年のNew YorkからSan FranciscoにHarveyとScottが移ってきてから始まる話だけれど、その僅か一年前にSan FranciscoのPine & Taylorの友人宅に2ヶ月ほど滞在していた私にとってはずいぶんと身近に見える話だった。舞台はMarket Stから南東の、Castroという当時私が知り合いからはあんまり行くんじゃないといわれていた地域だ。それだからこそというべきか、あの近辺は若者のサブカルチャー真っ盛りだったといっても良いかも知れない。
 当時、San Franciscoの中心地だったUnion Squareに面してある老舗デパートのMacy'sではゲイの従業員を首にした。この映画でもわかるように当時はいわゆる性同一障害者は違法であったし、「wrong」な事だったわけだ。しかし、1970年当時でもそのMacy'sのUnion Squareに面した入り口の外で首になった元従業員達が整然と「Gay Is Beautiful」「Gay Power」と書いたプラカードを持ってデモをしていた。それに気がついた私は彼らが正々堂々と真正面から訴えていたことに大変に驚いた。
 それまでに私が知っていたゲイといえば「シスター・ボーイ」といわれた人たちのことくらいで、それは映画の中だけの事でしかなかった。もちろんもう既に新宿二丁目にはその種の呑み屋があることは知っていたし、そこに入り浸っている奴のことも知っていた。しかし、世間知らずの私には全く現実感がなかったから、大層驚いたことは事実だ。そこから周囲の人間に聴いて、このSan Franciscoが相当に開けている、進んでいるんだということを知った。もちろんヒッピー・ムーブメントでHaight & Ashburyあたりが盛り上がっていることは音楽シーンを追いかけていたから知っていた。
 その点では私はsquareだから理解はできないけれど、人間の差別、偏見の排除、人権の確立という意味でこの映画はひとつの大きなタイトルだといって良いだろう。しかし、同じカリフォルニアで、ゲイの婚姻についての住民投票が裁判所の違法判決のあとにもかかわらず、それを否定したのはとてもシニカルな状況を作り出してしまった。一昨日の「Toyo's Camera」にも登場したジョージ・タケイはあの判決によってcoming outしたのにもかかわらず、失意にいると伝えられる。