ほぼ足りてまだ欲 その先

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今のうちが花

 エレベーターの中でスカーフを巻いたイスラムと思しき女性と一緒になった。日本人かと英語で尋ねられたので、「そうです」と答えるとうちの娘が日本が大好きなんですとおっしゃる。そのままだと、「あぁ、そうですか」というしかない。ところがエレベーターを降りたところに件の娘なるものがいて、この人たちは日本人だよ、とお母さんがいうと、小学校高学年、あるいは中学生と思しきそのお嬢ちゃんがぎこちなく日本語で「こんにちわ」という。
 意外な展開に驚いて「いったいどこで習ったの?」とたずねると日本の音楽が好きで、それで覚えたとはにかみながら、そして嬉しそうにいうのである。
 彼らは明らかにアラブ系のイスラムの家族で、多分大層金に余裕がありそうなのは身のこなしからも見て取れる。こういう「憧れ」を持って日本を見てくれている若い世代を目の前にすると、浅い考えで「やられる前にやるんだ!」と勇ましい単純国防論を振り回す輩の口車に乗って、私たちのすぐ上の世代が苦しんだ誤りを簡単に繰り返さないように用心しなくてはならないとぎくっとする。
 アニメの殿堂はいかがなものかとは思うけれど、こうした日本に対する思い入れをせっかく作り出してきたにもかかわらず、これをぶち壊すのも広げていくのも政治の力だということができるのではないだろうか。