ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

今更

 そんなことをいわなくても良いじゃないかという話だけれど、自民党のサイトを見に行って思った。

「国のしくみのマイナスを改めプラスへ」

「官僚の特権を認めない。行政と公務員の無駄を徹底的になくします。」

なんでこんなところにこんなことを書いているのだろうか。と、いうことはこれまで官僚の特権を大いに認めてきたし、行政と公務員においては十分無駄があった、と認めているということだろうか。
 いまさら、「天下り」や「渡り」は全面的に禁止すると自民党にいわれたっていったい誰が本当に彼らに実現できると確信するだろうか。今の今だって解散してから何人も天下っていき、渡って行っていることがあっちでもこっちでもやり玉に挙がっているじゃないか。ここまで何十年も実現できなかったことを自分たちの足下が危うくなったこの期に及んで「やる、やる、やるからさぁ」といわれても「もう、いいから!」と言い放ちたくなろうというものだ。
 自民党はなんでわざわざ今更こんなことを書いたのか、とても不思議でしょうがない。
 ひょっとすると石原不良作家が前回の都知事選で、ちょっと反省といってがっぽり支持をとったことを頭に描いたのだろうか。そうだとしたら全然甘甘。

「安定した雇用制度を」

 誰がどの口でこれを言っているんだろう。経団連の要求にそのまま乗ってここに至るまで労働者派遣法を徹底的に改悪して、企業が儲かるように儲かるようにやってきた。挙げ句の果てに竹中が信奉する新自由主義が破綻してこんな状況に陥ってしまったわけで、いってみればこうした傾向は自民党、小泉+竹中、その後の優柔不断組が作り出してきた、まさにそのものであるといっても良いだろう。竹中は「フリーターこそ真の終身雇用」だなんてうそぶいている人間が創業した人材派遣企業で会長に就任している。彼がこの党の大臣であったわけであり、閣僚を降りると同時に国民の支持をないがしろにして同じく放り出した。どうして私たちはこんな口車に乗ってしまうだろうと思えるのだろうか。

 たった二点を取り上げただけだけれど(他の項目について言及しても良いんだけれど突っ込みどころ満載できりがないからやめておく)、こうしたことを舌の根の乾かぬうちに口にしなくちゃならない時代が来たということに、私は目がくらむ思いがすると同時に、それこそベルリンの壁や、ソ連の崩壊ではないが、日本国民が「どうせ誰がやったって変わらないんだ、なんにも変わらないよ」とシニカルにいうことが格好良いんだというスタンスから、やっぱり変わっていくべきだとその気になっていることがなんだか嘘のような、夢でも見ているような、気がする。

 とはいったとしても、民主党が本当にあの鉄壁の官僚システムを本当に変えることができるのか、彼らを御することができるのか、はなはだ不安ではある。あるけれど、もしできなかったとしたら、今回こんなことを宣言した自民党にちょっとやらしてみるということはできるわけだ。