ほぼ足りてまだ欲 その先

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どうすることができるのか

 昨日、東京地裁裁判員裁判である67歳の母親に懲役三年、執行猶予5年(求刑・懲役5年)の判決が下った。2009年7月25日午後5時過ぎ、東京都文京区の日本医大付属病院高度救命救急センター病室内で、40歳の長男を刺し殺したという事件である。随分と罪が軽いじゃないかという印象を持ったのだけれど、毎日新聞(2010年4月23日 東京朝刊)の記事を読んで考え込んでしまった。
 家族を抱えていた長男が(原因は知らないが)自殺を図ったのだそうだ。しかし、意識不明状態に陥っていた。ところが本人が精神疾患を患っていたとすれば医療費は保険で附保されるけれど、それが証明するための通院実績などがない場合、それはかなわないのだそうで、将来を悲観して母親がその意識不明の長男を病院のベッド上で刺し殺したのだという。検察側の主張は自殺からわずか10日間でのそこまでの決断は早すぎるのではないかというものだったようだ。
 実際に家族は保険給付を受けるために会社に協力を求めているし、病院に高額医療の中止も訴えたのだそうだけれど、最後は母親が自ら手に掛けてしまったわけだ。
 自殺者を原則的には排除するという規制の考えはどこから出てくるものだろうか。
 この事件を知って、自殺を図って長いこと後遺症を抱える結果となったフランク永井の場合はこれはどうだったのだろうと思った。ウィッキペディアによると長いこと介護をしていたかつての奥様も自殺を図った(未遂)と記されている。