コンツェルト

　先日、銀座シネ・スウィッチで「Le Concert（邦題：オーケストラ！）」という映画を見たことはここに書いた。確かうちにもチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のCDがあったなぁとCDの棚をためつすがめつした。なにしろジャンル別に並んでいたりしなくて、あっちこちにばらばらになっている。あった、あった。これだ。

チャイコフスキー : ヴァイオリン協奏曲

　アイザック・スターンとフィラデルフィア・オーケストラで、ケースの外には黄色い小さな値段ラベルが貼ってあって20.00と書いてある。店の名前はTARANTELLA, GORDONとしてある。これで想い出した。SYDNEYからNorth Shore Lineに乗って25分ほどのGordon駅前の商店街にぽつんと意外な感じであったクラッシックの音源やら楽譜やら古本なんかを扱っていた小さな店で、いつもはお爺さんがひとりで店番をしていた。時に、そのお爺さんの代わりに若い女性がいたこともあるけれど、概ねその爺さんひとりだった。決して安い店ではないのだけれど、落ち着いた店だった。一昨年行った時にはもうなくなっていた。あの爺さんはまだ健在なんだろうか。日曜日の午後に歩いて行っては覗いたものだった。
　あの映画の画面が頭に浮かんでくるな、この曲は。