ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

話が良くわからんの巻

 壊れてしまったカメラが不憫で、三連休の間呻吟していたがいよいよ連休が明けたので、某カメラ・メーカーのサービス・センターに持ちこんだ。
 行くと誰もいなくて、ちょっと間があって胸に「研修中」というプレートをつけた女性が出てきて「そこの番号札を取ってください」といって銀行の順番待ち切符発行機のようなものを差す。とはいっても客は誰ひとりいないのである。だから、札を取るやいなや「7番のお客様(私の番号は7番だったのだ)、2番窓口にお越し下さい」と機械から大きな声が出るのである。誰もいなくてその方と私の二人っきりで、これはちょっと恥ずかしい。
 なにも札なんてとる必要はないじゃないかと思うのだけれど、それは素人の浅はかさで、多分彼女の仕事はこの番号札によって証明されているのだろう。つまり彼女のためにある機械だという状況の大逆転が起きたのである。随分と大げさだけれど。
 で、早速カメラを取り出して、こうするとこうなるんだというデモを私は彼女の前でやってみせる。すると彼女はラップトップのコンピューターになにやら打ち込むのである。
 で、突然彼女はあっという間の出来事なんだけれど、こうのたまわったのである。「え〜っと修理に14,700円かかります」というのだ。
 
 えっ!・・・。これは一体何がどうなって何を替えなくてはならないから・・・ではなくて、突然の金額宣言なんである。とにかく「14,700円」なんである。
 「高いんだねぇ」とぽつりというと、待ってましたといわんばかりで、奥からパウチされたA3程のカラーのいくつかのカメラが印刷されたものを取りだしてきて「若しくはこの辺のカメラを1万円、あるいは2万円でおわけしますが、如何ですか?」とまるでなにかを読んでいるみたいなんである。
 私はこの際、下手なコンパクトデジタルカメラなんて要らないのである。「凄い」コンパクトデジカメ、とか、洒落た小さなデジイチだったらいるのだ。
 私はもう途中から小さく頭を左右に振っているんだけれど、彼女はなかなかその説明を止めない。
 「いや、それは要りません!」ときっぱりする。
 「私は保険求償請求をするから、じゃ、その見積書を下さい」といったら、今度は彼女は「それではカメラごとお預かりして三日ほどして見積書をお送りします」というのである。
 「ちょっと待ってよ、君はさっき14,700円かかりますっていったじゃないか、その見積書を貰えば良いんで、カメラは持って帰るよ」というと「いや、そういうことになっているんで」というのだ。

 要するに彼女が仕込まれているのは、この程度のカメラの持ち主は14,700円かかる、でもこんな値段でこんなカメラが手に入るんだとしたらこっちに乗り換えませんかを誘導する役割を期待されているということだ。多分工場で詳細見積もりをしたらもっと高い見積もりとなって返ってくることだろう。

 ハードメーカーが自社の製品に愛着がなくなるというのはなんだか昔の米国メーカーの凋落の再現を見ているかの如くだ。

 それにしてもお粗末。

 「追記」:のちほど自宅に、受け付けた彼女と覚しき女性から電話があり、「中の媒体にデーターが残っているけれど、消却してしまう可能性がありますが、ご承知戴けますか」というのである。本来的にはマニュアルとしてその部分についても書類上承諾サインを貰っておかなくてはならない項目だろう。
 私の見立てではレンズを繰り出すマイクロ・モーターを制御する機構が壊れているので、下手をすると致命的なことが起きているのかもしれない。