ほぼ足りてまだ欲 その先

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ここに書く

 「あの原爆で、アメリカ人にも日本人にもそれ以上のあの戦争に於ける犠牲者が出ることを防ぐことができた」という主張は人間としての傲慢さを表すものに過ぎない。
 憶測でものを語ることはあるべきではないかも知れないが、それは結果論だろう。確かにポツダム宣言受諾はあの二つの原子爆弾攻撃による民間人の無差別殺戮がなければ、決断されずに本土決戦になだれ込んだかも知れない。しかし、それがなくても日本は降伏決断をしたかも知れない。それは今となっては窺い知ることはできないだろう。
 だからこそ、米国が、今、原子爆弾投下から65年経ったこの時点に、いまなお「原爆早期戦争終結役割論」を振り回すのは根源的な人間性の欠如を隠す言い訳に過ぎない。
 早期戦争終結が目的だったのだとしたら二つの原爆によって被害を受けた人びとに対して米国がなにもしないどころか、してくれたように見えることが、実はその原爆の効果測定に資するものばかりだったことをどの様に説明できるというのか。
 治療のために米国に移送された人たちがいたという記録もなにかのテレビ番組で見た記憶がある。あれですら、米国が行ったのは救済のためではなくて、効果研究のためだったのだということができるだろう。
 人類が行った恐るべき兵器研究の実験場だったという実態を直視することなく、冒頭の傲慢そのものである言い訳をナショナル・オピニオンの如く許している米国国内の風潮はレイシズムそのものではないのか。
 ジョン・ウェインは許すだろうけれど、これでは世界は許さないだろう。日本人は人が良い上に事なかれ主義だからなにもしないが、こうした主張を続けるのであれば、将来的に「9.11」に近い事態が起こる畑作りをしていることになりはしないだろうか。
 多分米国人の多くは「これだけ面倒を見てきたにもかかわらず、日本人は何故に米国の考えを理解できないのだろうか、彼等は未だに12歳のままなのか」と思うに違いない。そこが米国の傲慢さだと世界が思っているポイントだ。
http://www.youtube.com/watch?v=XRkneTy2MZk&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=MDaiQ9n5wEM