ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

東電社長会見

 午後3時から2時間かけて清水正孝社長が記者会見を開いた。残念ながらこの記者会見の全編を地上波、BS等では中継されることはなく、ネット上にニコニコ動画や岩上安身のIWJが最後まで中継をしているが、両方をあわせても10数万人が見ることができるだけである。
 私は最初の30分間を見逃してしまったけれど、その後を見続けた。清水正孝が自信たっぷりに言い続けていたのはスケジュールや、収束の方向性等についてはすべて「検討中である」と云うことと、賠償はあくまでも原子力賠償法に則ってやると云うこと、当面の経営についてはこの体制を維持すると云うこと、当面というのはどの時点までかという点については「検討中」であること、東京電力はこれまで「ベストを尽くしてきた」ことであって、これからも「ベストを尽くす」と云うこと以外の何物でもなかった。
 この記者会見でとても印象的だったのは、クラブ記者の何人かがこれまでと違って一歩踏み込んだ質問をする記者がいたことでもあるけれど、それは多分これ前でのエネルギー記者会メンバーの経済部の記者ではなくて、社会部の記者がは行っていたことによるのではないかという印象である。
 今回この記者会見を仕切っていたのは広報部長のようだけれど、広くあまねく質問の機会を提供しているように見えるけれど、実はシビアな質問を放った記者にはすぐにマイクを取って「他の方」と切り返した。彼は東電の広報として内なる組織を守るというスタンスに立った役割を果たして、ひょっとすると持ち上げられるのかもしれないけれど、企業広報のスタンスとしては、内向きに終始している点で致命的な失敗を犯していると評価されることになるだろう。
 それにしても如何に大きな企業とはいえ、ここまで徹底的にうち向きな企業が、これほど国際的、地球規模の災害を起こし、なおかつその収束を計るのは、わが国の国際的立場を危うくしつつあるという点で大きな禍根を残す。国家管理、若しくは国際的機関による収束管理に移さないと、これ以上に大きな問題を引き起こす危険性がある。