ほぼ足りてまだ欲 その先

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ビンラディン

 米国による今回のパキスタン国内におけるビンラディン殺害作戦について、次から次に事実が明らかになってきた。こうして事実が報じられるところが米国の面白いところではあるけれど(つまり、わが国では事実が報じられていないのである)、こうした作戦を堂々と実行してしまい、それをあたかも「正義の決断」のように誇らしげに全世界に宣言することが何を意味するのかを理解できていない誠に愚かなところも米国の不可思議なところでもある。
 バラク・オバマがニュー・ヨークのグラウンド・ゼロにおいて花を捧げた場面がテレビで報じられていたけれど、この行為をそのまま見ていると、あたかも、事件の被害現場にやってきて、その加害者が処刑された旨を報告する遺族の図、そのままである。つまり、「あいつはやっつけたぞ、心静かに休んでください、rest in peace」と祈っているように見える。しかし、peaceどころの話じゃない。宣戦布告といっても良い。
 なにしろ今回の行動はイラン革命の際の失敗した米国大使館員救出作戦やイラクでのフセイン拘留作戦を思い出させる。これは明白に他国侵略である。なんでこんなことが許されるのか。9.11の報復であるというのが米国民全体に理解されている論理なのだろうけれど、もし、この論理が許されるのだとしたら、この連鎖は永遠に続くことになる。これを本当に米国民、そしてその反応に基づいて行動していると思われる米国政府の理解なのだろうか。