ほぼ足りてまだ欲 その先

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やられた

 プラハの美術工芸博物館は名にし負うコレクションだと聞いていたので朝から出かけた。ところがどこからも入り口が開いていない。唯一開いていたところから一人の男の人が顔を出したので、聞いたら今日はお休みだという。おかしい。JTBパブリッシングが出している「ララチッタ・ウィーン/プラハ/ブダペスト」に依ると場所は間違いがないし、休みは明日の月曜日のはずだ。
 部屋に帰ってきてウェブで調べたら、なんとこの本の地図が間違っていて、一つブロックずれていたのである。この本を持って歩いていた人を他にも見つけた。彼女も間違っていないだろうか。罪作りなガイドブックだ。
 プラハのティーン教会という大きな二つの塔を持っている教会が旧市街にあって、一昨日に通りかかったら17時に入り口が閉鎖されている決まりだそうで、中をゆっくり見ることができなかった。あのときにちゃんと見ておけば良かったのに、今日通りかかったら、なんと日曜日は午前中だけ開いているだけで、その上月曜日は終日開けないのだという。結局中に入ってみることができなかった。
 この街の教会の中には「お昼休み時間」が存在するものがある。不特定多数に公開しないのだ。この「お昼休み時間」が存在するのもあんまり聞いたことはないのだけれど、「定期休み」が存在する教会というのもほぼ聞いたことはない。そもそも本来教会は常に扉が開かれているべきものだよなぁ。
 この街には数え切れないほどの教会が中心部に存在する。しかし、そのどれもが地域に根ざしているようにはとても思えない。それはやはり40年にわたる共産主義社会であったということが大きな理由になっているのではないかという気がする。サービス業の多くの担い手が本来的なサービス業に目覚めていないという状況も、多くの理由がこの40年間に由来しているのではないだろうか。
 第二次世界大戦で燃え残った歴史ある各施設は、共産主義社会の40年間に放置され、今になって観光施設としての存在に慌ててその整備に走ってきた20年間ではなかったか。しかし、失われるのは早くても、それを取り返すには多くの年月を必要とするのではなかろうか。
 この街の人々がより遠来の外国人に対する本来的なサービスを覚えたらとても心地の良い街になるだろう。しかし、今はそんな余裕がない。
 あとからあとからこの歴史の痕跡を見に来る人々は押し寄せている。今取り返さないと、またなにかを失うかも知れない。