ほぼ足りてまだ欲 その先

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国を滅ぼす

 原発で事故が起きるとどんなことになるのか、ということは福島第一が崩壊するまで誰も推測することができなかったのかというと、そんなことはない。なにしろ、米国でスリー・マイルの事故はあったのだし、チェルノブイリで何があったのかをマスコミも日本のプラント業界も電力業界も誰ひとり知らなかったと推測するのは大いに無理がある。周知の事実だった。
 しかし、毎度毎度原発が建設される時には反対運動が起きても、鉄面皮の様な表情をした警察機動隊員や電力会社が雇った警備員が、通産省の役人の後ろ盾を笠に着て、そんな反対運動を正に作業靴、安全靴で蹂躙してきた。踏みつぶしてきたのだ。そして、今もまた無表情の鉄面皮で大飯原発再稼働に反対する人たちに対して「妨害行為はやめなさい」と相対してふみつぶそうとしている。
 彼らはただ単に「そこを死守しろ」という命令のままに動いているわけで、意志というものが存在していない。つまり、彼らは完全に奴隷と化しているし、ロボットとなっている。
 じゃ、彼らは誰の奴隷なのだろうか。もちろんこれを稼働させることによって儲けようとする人たちの奴隷である。
 その儲けようとする人たちは誰だ。電力会社か。霞ヶ関か。あるいは原発メーカーか。
 それらの企業の従業員はどっちなんだ。奴隷か、荘園主か。多分彼らは自分では荘園主だと思っているのかもしれないけれど、切られる時には切られてしまうという意味では彼らも奴隷としても良いかもしれない。その証拠に、彼らにはボーナスが払われる。よく奴隷として働いたという意味に違いない。そうでなければ彼らは事故を起こして良くやったといわれてボーナスを貰うということになるものなぁ。
 で、福島第一の事件でよくわかるけれど、原発から放射能汚染物質が放出されて周辺が汚染される。これで大変な目を見るのは一体誰だ?当面この一年を見ると家に住めなくなった原発周辺の地域に拠点を持っていた人たちだ。まず、ここで大飯原発がある大飯町はまず自らの境遇に気がつく必要がある。彼らは福島第一の事件から何かを学んだか?全く学んでいないことはあのふざけた町議会議長を見るからに歴然としている。学ばずに目の前の補助金に目が眩んでしまった。
 東電はあの事件で賠償を余儀なくされているけれど、国庫から金が出たから電力会社は困らないということだ。しかし、電力会社に雇用されている人たちはどうだ。ボーナスが出るから困らないのか。家族は困らないのか?実は遠いところに既に家族は避難させているという噂も飛ぶ。自分はどうなんだろう。
 福島第一4号炉の燃料棒プールの冷却系の無停電電源の故障によって冷却が止まっているというニュースが流れている。これでどんどん温度が上がって水位が下がって燃料棒が露出したら、もうそれはそれは大変なことが起きる。多分東日本は壊滅だろう。この国は機能しなくなるだろう。そんな危険性を今福島第一は抱え込んでいる。それを片目で見ながらなぜ大飯原発が稼働するのか。3.11以前から大飯は画期的に安全性が向上しているのか。答えは「否」だ。