ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

国会事故調

 646頁となる報告書が提出され、午後7時から事故調の記者会見が行われた。非常に限られた時間の記者会見で委員もいい足りなさそうであり、質問する方も時間が足りない。是非一度この報告書について例えばテレビ朝日の「朝まで生テレビ」のような番組を組んで徹底的に解説してみる必要があると思う。
 菅直人政府が立ち込みすぎたという報告になっている様だけれど、報告書の中には(p.276)このように書かれている。

 3月15日5時35分頃、感想理は東電本店に来社し、緊対本部にいる東電社員の前で、激しい口調で演説を行っている。東電の記録によると、当時の菅総理の主な発言内容は以下のとおりである。
「被害が甚大だ。このままでは日本が滅亡だ」
「撤退などあり得ない。命がけでやれ」
「逃げてみたって逃げ切れないぞ」
「60になる幹部連中は現地に行って死んだって良いんだ。俺も行く」
「社長、会長も覚悟を決めてやれ」

 しかし、東電のテレビ会議の記録には音声が残っていないんだと東電が発言しているにも拘わらずどうしてこれを記載するのか、という質問に対して、事務局の回答は「東電からのヒヤリングによるもの」といった。しかし、ニコ生の記者は「ならばどうして菅直人側のヒヤリングを尊重しないのか、アンフェアであるし、東電から提出させるべきではないか」と応酬する。しかし、事務局は「あくまでも東電の持っている資料だから強制はできない」と反応する。これでは不偏な調査といえるだろうかという疑問は残る。

 国民の健康と避難(Health and Safety of the people)ということを考える手立てがそれまでの行政では考えられていなかったということは指摘しておかなくてはならないと委員長がコメント。

 それにしても発表された一連の資料をpdfでダウンロードするのが結構面倒くさい。一発で落とせる様にするべきだ。

事故の根源的原因(p.10)

事故の根源的な原因は、東北地方太平洋沖地震が発生した平成23(2011)年3 月11 日(以下「3.11」という)以前に求められる。当委員会の調査によれば、3.11 時点において、福島第一原発は、地震にも津波にも耐えられる保証がない、脆弱な状態であったと推定される。地震津波による被災の可能性、自然現象を起因とするシビアアクシデント(過酷事故)への対策、大量の放射能の放出が考えられる場合の住民の安全保護など、事業者である東京電力(以下「東電」という)及び規制当局である内閣府原子力安全委員会(以下「安全委員会」という)、経済産業省原子力安全・保安院(以下「保安院」という)、また原子力推進行政当局である経済産業省(以下「経産省」という)が、それまでに当然備えておくべきこと、実施すべきことをしていなかった。

 この指摘に対して9日に構成されるといわれている原子力規制庁がどれほど応えられるのだろうか。各電力会社、行政がどんな手立てを打つだろうか。この報告書が完成する前に既に稼働してしまっている大飯原発の現状について野田佳彦はどう反応するというのか。