まぁ、こんなばかげた連中が高い金を遣って時間を潰しているという典型のような話なのだけれど、なにしろ「しんぶん赤旗」と「日刊ゲンダイ」しか書かないので、腹が立って仕方がないからここに書いておく。
今月15日に衆議院の厚生労働委員会で民主党で馬淵澄夫の政策秘書から衆議院議員になった大西健介が質問に立った。
2013年2月25日付け日本経済新聞に掲載された人材派遣の株式会社ヒューマントラストの全面広告に丸川珠代厚労政務官が登場して同社の阪本美貴子社長と「雇用と派遣のあり方」について対談したのだそうだ。もちろん人材派遣の会社が広告するわけだから自社の活動を規制する方向を主張するわけはなくて、規制を緩和しろという方向に主張するに決まっているということは誰が想像してもそうなる。私はこの広告を見ていない。
ギャラは貰っていないにしても、一国会議員であっても一民間企業に肩入れすることが既に問題だと思うけれど、ましてやその管轄官庁の政務官がこうした広告に出ること自体が問題であるのは議論を必要としない。
その上、丸川珠代は「民主党が日雇い派遣を禁止して何が起きたかといえば、日々紹介という形になってしまってもっと非雇用者にとって良くない状況になってしまったということを、厚労省の見解のひとつとして申し上げた」という意味のことをこの場で滔々と述べた。
しかし、大西健介がいうには、厚労省の事務方はそんなことはいっていないという。大西は田村厚労大臣も今年1月14日の全国紙に医師会との座談全面広告にも出ていることを指摘。しかも、医師会、歯科医師会等関連団体からこれまでに1,200万円の献金を受けているじゃないかと指摘した。
田村厚労大臣の答弁は「そんなことをいったら民主党だって政権担当時に各紙の広告に出ていたじゃないか、そんなことを指摘するのは止めよう」だった。
低次元も甚だしい話で、現職の大臣がそんなことはやらない方が良い、つまりそんなことをあげつらうのはくだらないから止めろといっているわけで、こんな意識の人間がこの国の政権を担っているということなのだ。
問題はこうした国民の代表としての矜持、という点からいったら全くお粗末きわまりない現状をマスコミ各紙は放りっぱなしているという点である。ましてやそんな広告を諸手を挙げて受け入れるという営業の姿勢がなぜ問題にならないのか。おいしい給料を手にしているマスコミ各社の高給取りの皆様は何もお感じにならないということなのか。
この全面広告については掲載翌日に「しんぶん赤旗」が次の記事を掲載。
丸川珠代厚労政務官・参院議員(東京選挙区)は、25日付の「日経」に掲載された派遣会社ヒューマントラストの広告に登場し、昨年10月施行された「日雇い派遣の原則禁止」について、派遣会社の要求に応えて見直すべきだとの考えを表明しました。労働分野は丸川政務官の担当。派遣会社に法令を順守させるべき政務官が派遣会社の広告に登場し、施行から半年もたたないうちに見直しを主張するなど政務官としての資格が問われます。
この広告では、丸川氏とヒ社の阪本美貴子社長が対談。阪本氏が、日雇い派遣が原則禁止されたが、「短時日の業務も現実に発生している」と法改定を批判すれば、丸川氏は「ニーズが多いものを抑えるとアンダーグラウンドに潜り労働者保護はさらに難しくなる。そうなってはいけない」とのべ、法改定が労働者保護に逆行するものだと強調。厚労省の研究会で日雇い派遣を含めて議論しているとして「今夏に一定の結論を出して次は労働政策審議会で議論する」と見直しを進めていく考えを強調しています。
日雇い派遣については法改定されたばかりで議論事項に入っておらず、見直しを行うなどというのは事実をゆがめるものです。
日雇い派遣の原則禁止は30日以内の短期派遣を原則禁止するだけで抜け穴だらけのものでしたが、それでも派遣業界は利益低下につながるとして強く反対。丸川氏は国会で原則禁止を批判し、派遣事業は「雇用の安定をもたらす」とのべ、低賃金・不安定雇用を持ち上げていました。丸川氏は派遣業界の政治団体から2010年と2011年度に政治団体のパーティー券12万円を購入してもらっています。(しんぶん赤旗 2013年2月26日)