ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

舐めている

 東京電力は国会を全く舐めきってここまでやってきたらしい。
 今更そんなところをほじくっているのかという話になるので説明が必要だ。
 今年の2月に国会の事故調の一員だった田中三彦委員が会見をした。国会事故調として、福一第一炉の非常用復水器が何故損傷したかの調査の為に現場に入ろうとしたときに、当時の玉井俊光企画部部長が説明にいった。玉井俊光はこのときに中は真っ暗で危ない、道に迷ったら放射線量の高いところに入ったら大変なことになる、そんな状態だから案内はしないと、現地調査を断念させた。
 ところが現場が真っ暗だというのは全くの嘘で、一号路の建屋カバーは透過性の素材を使っている為に若干の太陽光も差し込むだけでなくて、その後水銀灯まで設置されていたという話である。
 本年02月12日の国会の予算委員会では民主党辻元清美が東電の廣瀬社長にこれをただしているけれど、廣瀬は「調査中である」と繰り返すだけだ。この「調査中」という言葉は東電の合い言葉になっているかの如き印象があって、彼らは事故後の記者会見をずっとこれで凌いできた。
 私が今更これに気がついて、問題視するのは、この非常用復水器の損傷が東電のこれまでの見解、つまり地震によるダメージはなく、すべて予想を遙かに超えた津波による事故であるという見解を覆す証拠となり得るからである。

廣瀬社長:調査妨害ということに関しまして、私ども、今、説明をした人間を含めまして、まさに調査を行っているところでございます。
 その過程で、本人が、全く間違った認識のもと、誤った説明をしてしまったということが判明してきております。この点に関しましては、本当にまことに申しわけなく思っております。と同時に、なお一層背後については調査をしなければいけないというふうに考えておりまして、引き続き調査をしっかりやってまいる所存でございます。
玉井はある意味原子力の専門家として、今回、国会事故調の事務局との調整の担当を任せておりました。
辻元清美:やはり意図的に、中に入れたくない、もしも入ったら、東電は地震の影響がないと言っているのに、新しい調査の結果、別の結果が出てきたらどうしようとか、それは東電としては考えると思いますよ。どう考えても、その企画部部長が、ずっとこうやって東電みずからがやっていることを全く知らずに真っ暗ですよと説明するということは、理解できません。いかがですか。
廣瀬社長:10月14日に建屋カバーが完成して、先生の資料にありますように、28日に照明ができたということを事前に調査せずに、思い込みのまま説明をしたというふうに申しております。
 これにつきましては、なお一層調査をしなければいけないと思っておりますし、今後、第三者の方も入れてやってまいりたいというふうに考えております。
辻元清美:調査をするということになれば、その調査の結果によっては、自分たちがみずから調査した結果と違う結果が出ることも考えられるわけです。ですから、この企画部部長が一人で、思い込みで間違えて答えを出したという話ではないんじゃないですか。
 どのレベルでこの国会事故調の調査について検討したか。東京電力の中でしっかり、国会事故調から調査の依頼が来たから、どうしよう、どうしよう、どうしようと検討したはずなんです。それはどこでやったんですか。
廣瀬社長放射線のレベルであるとか、それから、どのぐらい中が瓦れきでどうなっているのかといったようなことを第一原子力発電所の者に確認しております。本人は第一原子力発電所には事故以降入っておりませんので、全ては聴取したということでございます。
 それから、その段階で、先ほどの繰り返しになりますが、十四日にカバーが完成していたこと、あるいは照明がついていたということの確認をしていなかったということ、これについてはまことに申しわけないことだと思っております。
 さらに、その他の上司の関与という御質問でございますけれども、本人は、この二十八日に出向いたときに、実際、三月の五日、六日に現地を調査していただくことになっておったわけですが、そこのいわゆる段取りといいますか、ロジであるとかそれから必要な準備であるとか、そうしたものについての説明をするものだ、そういう業務だという認識のもと、上司には全く相談をせずに、本人がそこで調査したものを説明しに向かっております。
辻元清美:この人の一存でやったという御答弁をされていいんですか、ここで、東京電力として。国会事故調の、それはもう本当に自分たちも被曝するかもしれないけれども、東電と政府だけに任せて、当事者ではあかんということで、事故調が行くということで。国民ですよ、この事故調というのは。国民の代表が行くと言っていることを、担当者だけで、いや、暗いだろう、間違えましたと。それが東京電力の、私たちの、国民の事故調査に対する姿勢だったという認識でいいんですか。
廣瀬社長:今後、そうしたことがあっていいかどうかも含めまして、しっかりするとともに、まずはとにかく現地を見ていただくために、私どもとして最大限の協力をしていかなければいけないというふうに今思っておるところでございます。

 この同じ社長が柏崎刈羽を動かしたいといっているわけだ。一体どこまで調べて申請を出す気になっているのか、一度縷々説明をさせる必要があるのではないのか。
 企業体質がこれで、どうしてこんな危ないものを扱うことができるのだろうか。
 すべて周囲を舐めきっているとしか思えない。どうせ素人には何をいってもわかりゃしないんだから、つっぱねれば行けるよ、という認識なのだろうか。

あぁでもない、こうでもない

 ところで、ここで廣瀬社長が説明している「調査」の結果がA4サイズ28ページで出されていて、これも公開されている。→ こちら
 ご参考までにご覧頂きたいが、私は眼が良くないので細かいところを熟読できていないが、「本来的には当日は補助調査員との話だったはずで、随行ができないと説明しても、その後揺り戻し検討が必要と考えていたが、田中委員が直接出て来たので、その説明によって完結してしまった」というなんともはやな説明がなされている。あたかも、田中委員がそこで納得してしまったのがいけないといわんばかりの手前勝手な結論である。
 ここまで見てくるとこの2年半の間の彼らの行動を見ていると、正に万死に値するというべきだろう。