ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

たまにしか食べられないけれど食べると旨いもの

  • 分厚い牛のステーキ
  • すき焼き
  • 伊勢エビ
  • マグロのトロ
  • タラバガニ

 余りに月並みで驚くのだけれど、経済的な意味でも身体的な意味でも滅多に食べられない。死ぬ間際に食べてもきっと旨くも何ともないのだろうなぁ。ぴんぴんなときに食べないと意味がないだろうなぁ。もうすぐぴんぴんじゃなくなる時期がきっと近づいているんだろうなぁ。
 こんな事を書くと、みっともないから止めろという茶々が入らないとも限らない。
 実は鰻はずっと大ッ嫌いだったのだ。食べて旨い!と思ったのはもう30歳ぐらいになってからだったと思う。それまでなんでダメだったのかというと、多分ろくな鰻を食べたことがなかったということと共に、あの焼き上がりの皮がイヤだったのと、口に入れたときのムニャムニャ感がイヤだったのだろう。タレの味だけは香ばしくて好きだった。
 昔は牛肉が好きじゃなかった。子どもの頃はろくな牛肉にあたらなかったからだろうか。生まれて初めて驚くようなステーキを食ったのも多分30歳くらいになってからだったのではないかと思う。それは多分米国でのことだったのだと思う。それまでは驚くようなステーキなんて食えなかった。その前に友人夫妻と鉄板焼きにいって驚いたことがあったくらいだもの。
 すき焼きといったら、わが家では親父が作ると決まっていた。当時は今みたいなカセットコンロなんてなかったから、今の端っこにあったガス口からゴムホースでテーブル用のガスコンロに繋げて卓上で「じゅ〜っ」と作った。うちのすき焼きにはなぜか「麩」が入っていた。胆嚢を摘出手術してからは立派にサシの入った肉は身体が受け付けなくなった。
 伊勢エビを最後に食べたのは一体いつだろうか、というくらい食べた記憶がない。多分誰かの結婚披露パーティーで出たものだったのだろう。その代わり、ロブスターだったら昨年11月に食べた。あれは旨かった。頬張るという表現が最も適切だった。
 鮑といえば昔Sydneyにいたときに中華の店にいって、鮑を選び、それをスライスして貰って、これをしゃぶしゃぶにして食べたものが秀逸だった。それまで殆ど鮑を食べなかった。なぜかというと、いつだったかもう思い出すこともできないけれど、余りの堅さに本当にこれが食べ物なのかと驚いたことがあって、あれ以来鮑に手を出さなかったということもある。しかし、帰ってきてから鮨屋で喰ったらこれが実に軟らかく煮たものだったのが嬉しくてあれから好きになったのだった。これは先日お呼ばれした先で出されて思わずほくそ笑んだ。
 鮪のトロの部分は本当に少しで良い。一年前まで通っていた鮨屋が廃業してからはもう本当にろくなトロを口にしていない。このまま人生を終えなくてはならないのだろうか。
 この一年ほど、「まだ口にしていない」といいながら暮らしてきたのがタラバガニだった。昨年の暮れにほんのわずかのタラバガニの冷凍を買ってきて貰って喰った。嬉しかった。